夏休み最後の5日間SS、そのA
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うう/// ううう〜///」
「……沢田、お前は少し黙ってろ」
「え? なんで?」
思った事を言っただけなのに、綾小路君から口出し禁止令を出されてしまった。
そして、佐倉さんは困った表情をしながら、俺達にこんな頼み事をしてきた。
「あの、手紙を……一緒に見てくれないかな……」
「……それはダメだろう」
「な、なんで?」
「送り主に悪いからな。佐倉、思うところは色々あるとは思うが、送り主の為にもラブレターは1人で読んでくれないか?」
これに関しては綾小路君の意見に大賛成だ。
告白するのにどれくらい勇気がいるのかは、俺もよく分かるからな。
綾小路君の言い分を理解してくれたみたいだが、やっぱり誰からか分からない手紙を読むのは怖いのだろうか。
佐倉さんの手は震えている。そんな佐倉さんを元気付けようとしたのか、綾小路君がフォローを入れてくれた。
「なぁ。好きな人からって可能性もあるぞ」
「その可能性はもうないもん……」
「え?」
「あ、何でもない! わ、私は好きな人とかいないから! とにかく読んでみるね!」
そして佐倉さんは、俯いた状態でマンションへと戻って行った。
「……」
「……」
佐倉さんがいなくなり、俺はさっきの佐倉さんの反応について考えを巡らせていた。
(綾小路君の好きな人かもしれないという励ましに、佐倉さんはその可能性はもうないと言った。その発言を綾小路君が聞き返したら、慌ててごまかしていたよな。……! こ、これはつまり!?)
俺は今、友達の片思いに気づいてしまった様だ。
(そうか……佐倉さんは綾小路君の事が好きだったのか!)
好きな人はいないっていうのは、恥ずかしいから誤魔化したんだろうな。
うん。綾小路君ってクールでかっこいいし、頼りになるしね。佐倉さんが好きになるのも当然っちゃ当然だな。
あ、でも、そうなると……山内君の恋は実らない事になっちゃうな。
……ごめん山内君。俺は佐倉さんの気持ちが優先だと思うんだ。
だから、俺は佐倉さんの恋を応援しようと思う!
「……沢田? どうかしたか?」
「えっ?」
1人で考え事をしていたら、綾小路君が俺の顔を覗き込んでいる事に気付いた。
「あ、ごめん。山内君の恋の行方が心配で」
「……まぁそうだな。俺達で慰めてやるしかないだろ」
「えっ!? 綾小路君も失敗するって思ってるの?」
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