夏休み最後の5日間SS、そのA
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俺もコーヒーの美味しさがわかる様になれば、1万も惜しくなくなるのだろうか。
「……遠慮しとくよ。俺はコーラでいいや」
「そうか。まだまだガキの味覚だな」
「うるさいよ! 赤ん坊のくせに!」
「ふん、ムキになるのも子供の証だ。少しは俺のダンディズムを見習え」
「どこかダンディなんだ、どこが!」
「全体的に決まってんだろ?」
何言ってるんだと言いたげな顔をしているリボーン。
どうせ口喧嘩では勝てないので、ここは撤退にかぎる。
「まったく……(プシュッ)」
お口直しに冷蔵庫からコーラを取り出して飲んでいると、学生証端末の着信音が鳴った。
??プルルルル、プルルルル。
(誰だろう? ……あ、堀北さんだ)
着信相手は堀北さんだ。そういえばバカンスから帰ってきてからまだ会ってないけど、どうかしたのだろうか?
??ピッ。
「はい、もしもし?」
「……沢田君、夜にごめんなさい」
「ううん、全然大丈夫だよ。……で、どうかした?」
「……」
少しの間を開けて、堀北さんは用件を話だした。
「あの……ちょっとトラブルが起きてしまって」
「トラブル? 何があったの?」
「説明が難しいわ。悪いのだけど……わ、私の部屋まで来てくれないかしら?」
「わかった。すぐに行くよ」
「……ありがとう。鍵は開けておくわ」
電話を切ると、俺はすぐに家を出た。エレベーターに乗り、5階まで降りる。
男子用と女子用のマンションは5階の連絡通路で繋がってる。だから5階から行くのが近道だし、堀北さんの部屋もちょうどいい事に5階だ。
?? 堀北さんの部屋 ??
ドアを開き、部屋の中に入る。
廊下からリビングに行くと、ダイニングの椅子に堀北さんが座っていた。
なぜか右手にタオルをかけている。
「堀北さん、お待たせ」
「……すまないわね、沢田君」
「ううん、いいんだよ……で? 何があったの」
「……そ、それが」
堀北さんは顔を少し赤くして、言い辛そうにしている。
「……言いにくい事?」
「そういう訳じゃないのだけど……実は」
「実は?」
「……抜けなくなってしまったのよ」
「……抜けなく? 何が?」
「そ、その……手がよ」
「手?」
「ええ……」
堀北さんは左手で右手に掛けていたタオルを外した。
すると…
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