船上試験最終日、夜。
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「その紙に記載された4名の名前を確認した後、私だけ隠れて龍園の監視を続けていたんです」
「うん」
「……そしたら、その……櫛田ちゃんが龍園君を尋ねてきたんです」
「! ……そっか」
……これはもう。俺の考えた事が正しいのは間違いないと思う。
「……何か話してた?」
「……はい」
「内容は聞いた?」
「櫛田ちゃんの最初の一言だけ。……『二学期になったら、約束通り私の手伝いをしてくれるんだよね?』と言ってました」
カルメンはすごく言い辛そうにそう言った。遊園地でカルメンと桔梗ちゃんは仲良くなっていたから、複雑な心境なのかもしれない。
「……カルメン、教えてくれてありがとう」
「……いえ」
これで全ての報告が終わり、Otto talenti と別れて1人になった。
「……桔梗ちゃん。どうして?」
試験が全て終了するまでの時間、俺は本人に聞く以外に答えを知りようのない問題に悶々とし続けたのだった。
?? 船上試験最終日、夜10時58分 ??
全グループの試験が終わった後。俺・綾小路君・堀北さんの3人は、結果を一緒に見るべくカフェテリアに集まっていた。
「……後5分ね」
「だなぁ。……結果の予想はどうだ?」
「巳グループは結果4で間違いないと思う」
「兎グループもだ。……堀北は?」
「……結果1か2だと思うわ。少なくとも密告はされてないはずよ」
「そうか」
「……」
「……また仲良くおしゃべりか? 俺も混ぜろよ」
『!』
3人で結果のメールを待っていると、後ろから龍園君が現れた。
「……何の用かしら?」
「つれねぇなぁ。俺も一緒に結果を確認させてくれよ」
「……何が目的?」
「堀北、11時になるぞ」
「!」
綾小路君に言われて時計を見ると、あと数秒で夜11時になる所だった。
そして、11時になると同時に4つのメール受信音が鳴り響く。
??ピロン。
??ピロン。
??ピロン。
??ピロン。
「くくく。お楽しみの時間だなぁ」
嫌な笑みを浮かべながら、龍園くんが学生証端末を取り出した。
俺達も学生証端末に届いたメールを確認する。
TO 沢田綱吉
子(鼠) 裏切り者の回答ミスにより結果4とする。
丑(牛) 裏切り者の正解により結果3とする。
寅(虎) 優待者の存在が守り通されたため
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