船上試験最終日、ひよりの正体。
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ました。
「……さて、急に呼びつけて申し訳なかった。だが、そうせざるをえない状況なんだよ」
「……何かトラブルでも?」
「そうだね……ひよりが思っているよりもずっと大きな、ね」
「……」
「百聞は一見にしかずだ。話すより見るが早いだろう。すごい情報量になるだろうが、私の娘だし、君のお母さんから聞いたが君は本を読むのが好きらしいし、きっと耐え切れるだろう」
そう言いながら、父は私の頭に手を伸ばし始めました。
「……何を言っているんです?」
「直にわかるよ。……ほら」
「? ……っ!」
そして、父が私の頭に触れた途端。私の意識は父の中に取り込まれていきました。
父の中に入り込むと、私は真っ黒な空間に立っていました。
頭の中には父の声が直接響いて来ます。
「……ここは?」
『ここは私の頭の中だ』
「!」
『今から、君には私達の刻んできた業の記録を体感してもらう』
「……業?」
『そうだ。これを知って初めて、ひよりは本当の私の娘となるだろう』
父のその言葉の後、私は父の歩んできた長い歴史をビデオの早回しを見る様に体感しました。
父は生粋の地球人である事。
7?を守る存在であった事。
7?の一部をおしゃぶりにし、それを存続させる為のアルコバレーノによる人柱のシステムを生み出した事。
やがて仲間が2人になると、7?の残りを14個のリングにして2つのファミリーへと託した事。
その後はずっとチェッカーフェイスや川平のおじさんなどの複数の姿を使い分けて7?を見守って来た事。
そして2年前。ツナ君の活躍によって、アルコバレーノという人柱を作らずともおしゃぶりに炎を灯し続ける事を可能にする方法を見つけ出した事も知りました。
「……! はっ、はっ……」
全ての記録を見終えた後、意識が体に戻った途端に全身をひどい倦怠感が襲い、身体中から汗が吹き出す。そしてずっと呼吸をしてなかったみたいに息も絶え絶えになっていました。
「ほお、流石は私の娘。これだけの情報を一度に頭に入れて、その程度で済むとは」
「はっ、はっ……い、今見た物は、全て事実ですか?」
「事実だ」
「……では、どうして私は生まれたのでしょう」
「何?」
「川……お父、さん。あなたが子供作ろうとした様子はありませんでした」
「……ふむ、そうだな。あえて見せなかったが、君のお母さんとは15年前に恋人関係にあったんだ」
「! まさか、恋愛する様な人には思
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