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ようこそボンゴレ]世。実力至上主義の教室へ
船上試験最終日、ひよりの正体。
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す。そして、笑いながらこう言いました。『さすがは我が娘だ。いいだろう、やってみるといい。自らの運命を受け入れる勇敢な娘への餞に、父から最初で最後の贈り物をしてあげよう』……と」

「チェッカーフェイスからの贈り物?」

「ええ、その後父は私の頭にもう一度手を置きました。すると、大量の炎が私の体内に流れ込んできたのです。おかげでしばらくの間、炎が入り込んだ細胞が産声をあげる様に目覚めていく感覚を味わいました」

「炎を体内にって……何の為?」

「おそらく、私の体内にある父から受け継いだ能力を呼び覚ます為でしょう。炎が体内を巡り切ると、私は自分の体の中に眠る古代の生命エネルギーを自覚できるようになりました」

 

 ……チェッカーフェイスの娘って事は、ひよりちゃんの炎の最大量もとてつもない大きさなんだろうか。

 

「そして、父から受け継いでいる細胞に刻まれた炎の扱い方の通りにやってみると、手の平に小さな炎が灯りました」

「え? 小さな炎?」

「はい。今の私も完全に覚醒してるわけではないみたいで、己の能力を発揮しきれないようです」

「そ、そうなんだ」

 

 少しだけ安心した。同級生にチェッカーフェイス並に強い奴がいたら、学年全体をまとめ上げるって課題のクリアは絶望的になるもんな。

 

 この時、ひよりちゃんはもう俺の目の前まで近づいていた。

 そして、俺の前に掌を差し出した。

 

「……?」

「これが私の炎です。よく見てくださいね?」

「え? !」

 

 ひよりちゃんの掌に、拳くらいの大きさの炎が灯った。

 これが今のひよりちゃんの出せる最大出力なのだろうか?

 

 いや、それよりも気になる事がある。

 ひよりちゃんの放つ炎は、今まで見た事のない炎だった。

 

「……これ、夜の炎?」

「ふふ。いえ、夜の炎ではありません。これは『夜空の炎』です」

「!」 

 

 夜空の炎。聞いた事のない炎だった。それも当然、ひよりちゃんが少しだけ覚醒した時に生み出された新種の炎だったようだ。

 

 その炎はネイビーブルーで、なぜか時々小さな金色の輝きが一瞬だけ見える。

 

「夜空の炎とは、大空と夜のちょうど中間点の様な炎。固有の能力は『融和』です。全てに染まりつつ、全てを包容する大空と、全てを黒く染め上げて飲み込む夜。相反するこの2つを繋げる為の炎だと、私は思っています」

「……そんな事できるの?」

「ええ。この炎は、私の願いに応じて生まれた炎ですからね」

「ひよりちゃんの願い?」

 

 掌に灯る炎を、もう片方の手を包み込むひよりちゃん。

 
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