船上試験、最終日昼。
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イムが鳴った後、美雨が巳部屋を飛び出ていってしまう。
逃げた美雨を捕まえる為に俺も急いで巳部屋を飛び出した。
「はっ……はっ」
「……おい、奴隷」
「っ!」
しばらく追い掛けていると、美雨が疲れたのか動きを止めた。そしてそこは地下施設だった。
息が荒い美雨にゆっくりと近づいていく。
「……おい、なんで沢田綱吉が生きている?」
「……」
「薬で眠らせたんだよな?」
「……」
「……身動きできない様に拘束したんだろ?」
「……」
何を聞いても無言を貫く奴隷に、俺の感情がどんどん昂っていく。
近づいてく俺に比例してジリジリと後ずさる美雨だが、やがて壁にぶつかり逃げ場を失い、床にへたり込んだ。
「ふざけんなよ! 何とか言えよこの奴隷が!」
怒りを露わにして美雨に殴りかかろうとした……その時!
「……やめろ」
振り上げた腕を後ろから誰かに掴まれた。
「……沢田綱吉!」
「美雨から離れろ。小狼」
腕を掴んだのは沢田綱吉だった。
「お前こいつの事庇うのか? こいつはお前を殺す為にこの学校に入学してきたんだぞ?」
「知ってる。そしてもちろん庇う。美雨は俺の大切な友達だからな」
「なんでだよ! お前の敵だぞ!」
「敵じゃ無い。友達で仲間だ」
「はぁ? おい美雨、こんな事してどうなるか分かってんのか? お前の大事な両親はすぐに処刑してやるよ。いいのか?」
沢田には脅しは通じなさそうなので、美雨に脅しをかける事にする……が。
「……その脅しはもう効かないぞ?」
「ああ?」
美雨に対する脅しが、なぜか沢田によって否定されてしまう。
「美雨の両親は、ボンゴレで保護させてもらったからな」
「……は、はあ!?」
沢田は意味の分からない事を言いはじめた。
美雨の両親を保護した?
そんな事できるわけがない。
あいつの家はジェラスに監視させているはずだ!
意味の分からない嘘に、思わず沢田に殴りかかってしまう。
「嘘を吐くな!」
「……ふん」
「うわぁ!」
勢いよく殴りかかった俺の拳を沢田は華麗に避けた。
そして勢いそのままに、俺は地面に倒れ込んでしまった。
俺が倒れ込んでいる間に、沢田はへたり込んだ美雨を抱え上げて出て行こうとする。
しかし、
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