船上試験、最終日昼。
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を突き止めたんです。俺が!」
「何?」
小狼は、興味があるのかないのか判断しにくい顔になっていた……
?? 王小狼の独白 ??
……俺は、昔からトップに立ちたいと思っていた。
小さい頃、俺達家族はイタリアの小さな町で暮らしていた。
優しい両親と共に慎ましやかな生活を送っていたのだが、口には出さないものの自分の境遇には不満が募っていくばかりだった。
なぜこんな暮らししかできないのか。それは祖国を追われたからだと両親は言っていた。
俺の暮らしている町からは富裕層の高層ビルがよく見えていて、いつかあのビルの最上階を自分の物にしたいといつも思っていた。
その目標の為に、町に一校だけある小さな学校で俺は必死に勉強に励んだ。
いつか金持ちになる為に。
下々の者を顎でこきつかう立場になるために。
その努力の甲斐あってか、小学校ではいつもトップの成績を取ることができていた。
しかし、いい成績を残そうと自分の境遇が変わる事なんてなかった。
そんな生活に希望が見えたのは、小学5年の秋だった。
親父が知り合いと会社を立ち上げる事になった。その会社は開発型の会社で、共同経営者となる知り合いがすごい科学者らしい。
その会社は急激に成長し、企業から一年後には夢だった高層ビルで暮らせるまでになっていた。
そしてその頃には親父の会社の後継者になるという新しい夢ができていて、俺はさらに勉学に打ち込む様になっていた。
そんなある日の朝。親父が共同経営者を夕食に誘うと言って来た。
俺は共同経営者の優秀な科学者に密かな憧れを抱いてたから、そわそわしながら1日を過ごしたのを覚えている。
夕食時になり、親父が1人の男と共に帰宅してきた。
親父が連れて来たのは、20代後半くらいの好青年だ。
綺麗な藍色のスーツに身を包み、優しい笑顔に持ち主に見える。
(……かなり若いなぁ。この人が天才科学者かぁ)
食卓に着くと、好青年が自己紹介をしてきた。
「はじめまして。ご主人の共同経営者で、科学者のケーニッヒと申します。以後お見知りおきを」
話し方には気品があって、正直どうして親父と共同経営する事にしたのか不思議に思ったものだ。
食事中のケーニッヒさんは母さんの料理を褒めちぎり、俺の事も将来有望なお子さんだと褒めてくれた。おかげで俺も母さんもケーニッヒさんの事をすご
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