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ようこそボンゴレ]世。実力至上主義の教室へ
船上試験、休養日。
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で失っているんだ」

「! ……亡くなったのか?」

「いや。学校の屋上から飛び降りて、奇跡的に命は助かったけど脳死状態になってしまったよ」

「……」

 

 平田君はどこか遠くを見つめる様な目をしながら昔話を始めた。

 

「その幼なじみ、杉村君とは幼稚園からの仲でね。中学に上がるまでは殆ど毎日の様に遊ぶほど仲が良かった。でも、中学に上がれば別の地区の同級生も入って来て学年の人数も増える。中1で別のクラスになってからしばらくすると、僕も別の友達と過ごす時間が多くなっていった」

 

 なるほど、これくらいならよくある話だと思う。

 

「でも、その一方で杉村君はクラスでいじめを受けていた。たまに顔を合わせば、顔に痣が出来てたりしていたよ。……でも、僕はその事に気づいていながら何もしなかった。新しい友達との時間を優先してしまったんだ」

「……」

「それから一年後、杉村君へのいじめはさらに過激化していた。ある日の朝にクラスの友達と学校に行くと、校門で杉浦君が待っていたんだ。僕が来た事に気づいた杉浦君は、僕に近づいて声をかけてきた。『平田君、話があるんだ』ってね。……でもその時、クラスの友達が怪訝な目で杉浦君を見ている事に気づいてね。僕はクラスの友達に変な目で見られたくなくて杉浦君を無視して教室に向かってしまったんだ」

「……それで、その後?」

「うん。……授業中だったよ。何かが地面にぶつかる音がしたと思ったら、杉浦君が地面に倒れていたんだ」

「……そっか」

 

 そんな事があったのか。平田君はその罪滅ぼしのつもりで軽井沢さんを助けようとしているのかな。

 

「これで杉浦君が救われるとは思ってない。でも、誰かを救う事でしか償う事もできないと思ったんだ」

「……でも、そんな簡単な話でもないだろ。全てのいじめを無くす事なんてできやしない」

「分かってる。でもせめて、僕の身近な人の事は助けたいって思ってるんだ。これは、杉浦君を救えなかった僕の責任なんだよ」

「……でも、それだと今回のお前の行動はおかしいぞ。お前は軽井沢だけでなく真鍋達の事も救おうとしているだろ? 両方助けるなんて不可能だろうに」

 

 

 綾小路君のその言葉に、平田君は乾いた笑いを浮かべる。

 

「はは。そうだよね。矛盾している事は分かっているよ。僕は正義のヒーローじゃないし、なる事も出来ない。……だから君達にお願いしているのかもしれないね」

「……分かった、依頼を受けよう。沢田がな」

「ええ!? 俺1人?」

「安心しろ、サポートはする」

「一緒に頑張ろうよ……」

「俺は目立ちたくないって言ってるだろ?」

 

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