船上試験、2日目夜。
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ないと!」
腕を振り払って動こうとすると、今度は両手で腕を掴まれる。
「だからダメです!」
「何で!?」
「……今ツナ君が出ていけば、みーちゃんの置かれている状況は更に悪くなります」
「でも、あんな辛そうな顔してるし!」
「今のみーちゃんなら大丈夫です!」
「……え?」
「今のみーちゃんなら。これくらいの状況は耐えてくれます」
「何でそう思えるの?」
「……見ていて下さい。みーちゃんは屈しませんから」
「……わかったよ」
確信めいたひよりちゃんのその言葉に、俺も動くのを止めて見守る事にした。
(……本当に大丈夫かな)
視線を戻すと、2人はまださっきの体勢のまま動いていなかった。
「……」
「……」
しかし、山内君の顔が少し曇っているような気がする。
何でだろうとみーちゃんに目線を向けると、みーちゃんはまっすぐに山内君を見据えていた。
「……」
「……」
脅せば自分の言う事を聞くとでも思っていたのか、じっと自分を見て視線を外さないみーちゃんに戸惑っているようだ。
「……ちっ!」
やがて、山内君は舌打ちをしながら自分から視線を外してしまった。
「……」
しかし、みーちゃんはそれでも視線を山内から外さない。
(……みーちゃん。普通の女の子だと思ってたけど、すごい度胸があるんだなぁ。……ん?)
尊敬の念を込めてみーちゃんを見ていると、毅然とした顔とは違い、体は小刻みに震えている事に気づいた。
(……そりゃそうか。あんな事言われて平気なはずないよね。山内君に平伏したって思われない様に必死で耐えているんだろうな)
「……と、とにかく! 明日には実行に移すから、明日の朝には作戦内容を考えておけよ? 王ちゃん頭いいんだから、それくらいできんだろ。頼んだぜっ」
そう言って、山内君はスタスタと客室方面へと歩いて行ってしまった。
「……はぁ」
山内君が見えなくなると、みーちゃんは震えた声で息を吐き出した。
「……行きましょう、ツナ君」
「え? う、うん」
ひよりちゃんに促され、俺達はみーちゃんの元に向かった。
「……みーちゃん」
「! あ……ひよりちゃん。ツナ君まで」
「……大丈夫かい?」
声を掛けると、みーちゃんはこっちに振り向いた。
俺が体調を心配すると、みーちゃんはぎこちなく
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