船上試験、2日目夜。
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「ん? 王ちゃんは思わないの? 親が中堅マフィアのボスなのに、自分も親の様になりたいってさ」
「……思いません!」
強く否定するみーちゃん。
育ての親にひどい事をした実親を、尊敬する事はできないのだろう。
(……というか、山内君はマフィアなのか? いや、でも奴隷って言ってるしなぁ)
「ええ〜。理解できないわ。そんな恵まれた環境に生まれておきながらさぁ。……あ」
「……?」
言葉を途中で止めた山内君は、何かに気づいたかの様に手をポンっと叩いた。
「そういえば、小狼様が言ってたなぁ。王ちゃんは忌み捨て子だから、平伏する必要はないって」
「……忌み捨て子」
忌み捨て子というワードで、みーちゃんの顔がさらに曇る。
「そっか。忌みの部分はよく分かんねぇけど、王ちゃんは親から捨てられてんだ? しかも奴隷扱いまでされてるんだろ? そりゃあ親を尊敬できねぇわなぁ〜」
「っ!」
「あ。一般家庭の俺と、忌み捨て子の王ちゃん。同じ奴隷でも俺の方が立場が上なんじゃね? そうじゃね? って事はさ。王ちゃんは俺の命令を聞くべきじゃん?」
ヘラヘラしながらひどい事を言う山内君。
俺の嘘の噂を流していた時から感じてたけど、あんな嫌な事を言う奴だなんて。
みーちゃんは曇った顔のまま首を横に振る。
「……奴隷に上下なんてないですよ」
「あぁ?」
??ガンっ!
(ビクッ!)
イライラしたのか、山内君が歌劇場の外壁を殴りつける。
「俺は小狼様の直属の手下だぞ? 言う事聞けねぇの?」
「……て、手下じゃなくて奴隷ですよね」
「っ! うるせぇ!」
??ガンっ!
(ビクッ!)
今度はみーちゃんの顔スレスレの壁を殴る山内君。
「……あんまりナメた口利いてると、小狼様に報告するぞ? 貴方の妹が言う事を聞きませんって。そしたら……お前の大事なモノはきっと壊されちゃうだろうなぁ」
「っ!」
(! あいつ!)
あまりの横暴さに、助けに行こうとした……が。
??がしっ。
誰かに腕を掴まれて、動きを止められてしまった。
「! 誰だ……!」
「今はダメです、ツナ君」
「ひよりちゃん!?」
俺の腕を掴んでいたのは、ひよりちゃんだった。
「い、いつからここに?」
「ついさっきです」
「……そうなんだ。あ、というか山内君を止め
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