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ようこそボンゴレ]世。実力至上主義の教室へ
船上試験、1日目夜。
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ている以上は対処しないわけにはいかない)

 

「……王さん」

「はい」

「……もし、ジョーコファミリーがボンゴレや高度育成高等学校を狙って来たら、俺は皆を守るために君の本当の両親と戦わないといけなくなると思う」

「……はい」

「……でも、君や今の両親をジョーコの支配から救い出す事もできる」

「! ……ほ、本当に?」

 

 王さんが震えた声で訪ねて来た。

 

「うん。それは約束する。絶対に救い出す。……でもその為には、君は本当の両親と兄に敵対する事になる。それでも大丈夫?」

「……」

 

 俺の問いに、王さんは少しだけ考えてから答えてくれた。

 

「私の両親は、今の両親だけです。あの日、拘束された日からあの人達を親だと思ってはいません。……でも」

「……でも?」

「……それでも、血の繋がりは消せません。だから、両親達にはマフィアから足を洗ってほしい。そして小狼には、中学までの私の様に普通の幸せを味わって欲しいんです」

「……そっか」

 

 やはり、王さんは優しい。どんなに酷い事をされていても、家族であった事には変わりない。だから、裏の世界から救い出したいと思っているんだ。

 

 王さんはDクラスのクラスメイトで、すでに俺が守るべき人物だ。

 そんな彼女が、俺に助けを求めるなら……俺はそれに答える必要があると思う。

 

「わかったよ。俺が必ず君と両親、そして兄と実の両親を救い出す。だから安心していいよ、王さん」

「……ううぅ。本当にいいの? 自分の命を狙っている敵なのに……」

「いいよ。俺は元々戦いは嫌いだから。それに大切なクラスメイトからの願いだもん、叶えてあげたいって思うのは当然だよ」

「ううぅ……ありがとう、ありがとう」

 

 王さんは俺の手を握り返し、何度も頭を下げた。

 俺は「いいんだよ」と言いながらしばらく王さんを宥め続けた……

 

 ?? 5分後 ??

 

「……ご、ごめんね? しばらく泣き続けちゃって」

「ううん。全然気にしなくていいよ」

 

 5分程泣き続けて、ようやく王さんは泣き止んだ。

 

 落ち着いた様なので、これからの話をしようとしたその時、後ろから誰かに声をかけられた。

 

「あれ? みーちゃんじゃないですか。どうして目が赤いんです?」

「えっ!? あ、ひよりちゃん!」

「ん?」

 

 声をかけて来たのは椎名さんだった。

 呼び方からして、前から仲が良かったんだろうか?

 

「大丈夫ですか? もしかして、沢田君に泣かされたんですか?」


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