船上試験、1日目夜。
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……ドキドキして寝れなかったらどうしよう)
そんな不安を感じながら、俺は自分の客室に帰ったのだった。
??その頃。船内のBARにA・B・Dの担任教師達が集まっていた。
「なんかさー、久しぶりよね。この3人がこうしてゆっくり腰を下ろすなんてさ」
「因果なものだ。巡り巡って、結局俺たちは教師という道を選んだんだからな」
「あーそう言えば見たよ? この間デートしてたでしょ? 新しい彼女? 真嶋くんて意外と移り気なんだよね。朴念仁ぽいくせにさ」
「チエ、おまえこそ前の男はどうした」
「あはは。2週間で別れたー。私って関係深くなっちゃうと一気に冷めるタイプだから。やることやったらポイーね」
「普通それは男側が言うことなんだがな」
「それより……どう言うつもりだ、チエ」
「急に何ぃ?」
「通例では竜グループにクラスの代表を集める方針だろう」
「私は別にふざけてなんかないわよー。確かに成績や生活態度だけ見れば、一之瀬さんはクラスで一番だよ。でも、社会における本質は数値だけじゃ測りきれないもの。私は私の判断のもと超えるべき課題があると判断したってわけ」
「……ならいいんだがな」
「チエの発言はもっともだが、何か引っかかることでもあるのか?」
「個人的恨みで判断を誤らないでもらいたいだけだ」
「やだ、まだ10年前のこと言ってるの? あんなのとっくに水に流したってー」
「どうだかな。おまえは常に私の前に居なければ我慢ならない口だ」
「私は本当に一之瀬さんには学ぶべき点があると思ったから竜グループから外しただけ。そりゃあ沢田君や綾小路君の事は気になるけど、偶然偶然。島の試験が終わった時、沢田くんがリーダーだったことなんて、全然気になってないしー?」
「そういうことか。チエ、規則ではないがモラルは守ってくれ。同期の失態を上に報告するのは避けたいんでな
「もー。信用ないなぁ〜」
そんな話をしていた3人の隣に、ハットを目深く被った男が座った。
(……誰だ?)
(うわ、なんか暗〜い)
(……この男、まさか)
急に隣に座った男にそれぞれが思い思いの感想を抱く中。
ハットを被った男が口を開いた。
「お〜。3人とも立派な大人になったなぁ〜。おじさん感激しちゃったよ」
『!』
男が声を発した途端、3人は男の正体を察した。
なぜなら、3人には聞き覚えのある声だったからだ。
「まさか……」
「あ、真嶋はもうおじさんって感じだなぁ」
「え、ガチで?」
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