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ようこそボンゴレ]世。実力至上主義の教室へ
船上試験、1日目夜。
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 これが事実なら、この試験の攻略法が龍園君には分かりかけている事になる。  

 

 学校は基本的に何らかの法則性、ルールをもとに試験を作っていると思う。それは中間、期末テスト、そして無人島での試験も同じだったから間違いない。

 

 ルールの裏にある法則のようなものを見つければ高得点や好成績をおさめられる作りになっているんだ。

 だとすれば、この試験だって同じで、龍園君もそのことにも気が付いているのだろう。

 

「単純な話だ。クラスの誰が優待者なのかを調べればいい」

「……それはそうね。だけど、素直にクラスメイト達は答えるかしら? 黙って50万ポイントを得ようとする人が現れるかもしれないわよ?」

「はん。答えるもなにも、嘘をつけない状況にしてやればいいのさ」

「は? 嘘をつけないように?」

「クラスメイト全員に学生証端末を提出させたのさ。そうすれば、後は全員のメールを直接確認するだけだ」

「……ありえない。禁止事項に抵触しているわよ。誰かが訴えれば退学になる可能性も!」

「それこそありえないな。絶対に問題になんてならない。……だから俺はここにいるんだ」  

 

 クラスの支配者による、恐怖による強制……

 

 それによって、龍園君が好き勝手暴れても誰も訴えそのものを起こさないと確信しているんだろう。

 

 彼の言っている事を信じるのなら、龍園君はCクラスにいる3人の優待者を突き止めていて、その3人の情報によって優待者の選定方法が分かりかけているということだ。

 

「……それが本当なら、何でまだ辰グループの試験は終わっていないの?」

「……暇だから遊んでるだけさ」

「……そう、まだ確信は持てていないのね」

「ふん。とにかく俺は、詰めの段階に入らせてもらうぜ?」

 

 そう言うと、龍園君はどこかに去って行った。

 龍園君が見えなくなると、堀北さんはため息を吐いた。

 

「どこまで本当かは分からないわね」  

「……だな。だけど完全な嘘でもなさそうだ」

「だねぇ。俺達もなるべく早く見つけ出さないと」

 

 現時点でDクラスの優待者は2名分かっている。あと1人の優待者が分かればCクラスと同じ立ち位置に上がれる。

 

 堀北さんは再びため息を吐き、椅子から立ち上がった。

 

「……今日はもう休むわ」

「あ、うん。お休み」

「じゃあな、堀北」

 

 堀北さんは客室に帰っていった。堀北さんを見送ると、綾小路君も立ち上がった。

 

「俺も帰るわ。……沢田は?」

「……もう少し夜風に当たって帰るよ」


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