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ようこそボンゴレ]世。実力至上主義の教室へ
船上試験、1日目昼。
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 ……龍園くんも俺が須藤君のパシリだと思ってるはずなのに、なんで椎名さんは完全な勘違いだって言い切れるんだ?

 

(やっぱり椎名さんには何かありそうだ。友好的だとしても、警戒は怠らない方がいいな)

 

 女子からお茶に誘われるって青春イベントで緩みかけていた気を引き締めて、俺は椎名さんとは別方向に進んでいった。

 

 

(……とりあえず、部屋に戻れば誰かいるだろ。情報交換ができるといいんだけどなぁ……ん?)

 

 廊下を進んでいると、2階の階段の踊り場から男女の声が聞こえてきた。

 

「……おい、何をシカトして乗り切ろうとしてんだ?」

「……ご、ごめんね、小狼」

「は? 小狼? 誰を呼び捨てにしてるんだ、美雨」

「! ご、ごめんなさい。小狼様」

「……それでいいんだよ」

 

 会話に出てきた内容から察するに、Aクラスの小狼君と王さんの会話の様だ。

 ……王さんの話し方がいつもと違う気がするな。

 

「……にしてもさ。何でお前がこの学校に入学できた?」

「……おじ様が推薦してくれたから」

「はぁ? 親父が? 本当か?」

「……はい」

「……ふーん。まぁ納得はできないけど、こうなった以上はもうどうしようもできないな。……でもな」

 

 小狼君の声が途切れると……ドンっ、と壁を叩く音が響いた。

 

「……忌み捨て子のお前が、俺に迷惑をかけたりする事は許さないからな」

「……わかっております。この試験中も、試験終了後も、小狼様に関わる事すら致しません」

「……それでいい。ま、とにかく。この干支試験が結果1で終わる様にお前も働きかけろ。……いいな?」

「……はい。かしこまりました」

「よし。じゃあな、美雨」

 

 

 ??タン、タン、タン。

 誰かが階段を上がっていく音が聞こえ始めた。

 

 きっと小狼君が階段を上がっているのだろう。

 

(……どうしよう、聞いてはいけなかった事を聞いてしまったみたいだ)

 

 そして、階段を上がる音が聞こえなくなった頃。

 

 ??ぺたん。

 

「……うぅ。……何で、何であの人と同じグループに……」

 

 静かな廊下に、王さんのすすり泣く声が廊下に響き始めたのだった……

 



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