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ようこそボンゴレ]世。実力至上主義の教室へ
船上試験、1日目昼。
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 のんびり構えすぎるのも良くないけど、Aクラスの小狼君の意見に何人か賛同していたし、すぐに試験終了になってしまう可能性は低いだろう。

 

 高円寺君が暴走して試験を終わらせる可能性もあるけど、このグループの優待者は俺だ。たとえ高円寺君が勝手に報告しても、それは無効になるから問題ない。

 

 ……後はリボーンからの特別課題の事か。

 シンキング、干支試験の根幹にして特別課題の根幹部分。

 

 今回の課題をクリアするには、シンキングして課題の問題文を見つけないといけない。

 でも考えるにしても、この学校のシステム的に個人の力だけでは足りないだろう。

 クラスメイトやOtto talenti の皆の協力を求めるべきか。

 

 以上の事を踏まえると……

 

 課題の問題文が分かれば、この試験のクリア方法も分かる。

 まずは自分が優待だってバレない様に努めつつ、特別課題の攻略を頑張った方が良さそうだな。

 

 

(……よし! とりあえずこの方針で動いてみよう)

 

 考えがまとまったので、俺も退室することにした。

 

 

 ?? 客船、廊下 ??

 

 ドアを開けると、真っ先に綺麗な白髪が目に入った。

 

「……あ」

「あ、沢田君。遅かったですね」

「椎名さん、もしかして俺が出るのを待ってた?」

「はい。少しお話ししたかったので」

 

 廊下に出ると、椎名さんがドアを出てすぐの所に立っていた。

 どうやら俺を待っていたようだ。

 

「話? 何かな?」

「石崎君の事です。せっかく場を仕切ろうとしてくれてたのに、完全な勘違いで水を差してしまって本当にごめんなさい」

「ああ……別にいいよ。気にしてないし」

「……それなら良かったです。あ、もし嫌じゃなければ、干支試験が終わったらお茶でもしませんか?」

「えっ? あ、はい。もちろん」

「ふふふ、楽しみが出来たので試験を頑張れそうです。……では沢田君、また20時に」

「うん、また後でね」

 

 ペコリと可愛らしいお辞儀をして、椎名さんは俺に背を向けて歩き始めた。

 

(龍園君のクラスメイトとは思えないくらいふわふわした子だなぁ。石崎君の暴言を謝ってくれたし、すごい優しい子なんだろうなぁ……!)

 

 椎名さんの背中を見送りながらそんな事を考えていると、さっきの会話の中に違和感があった事を思い出した。

 

『完全な勘違いで水を差してしまって……』

 

 完全な勘違い。それって俺が須藤君のパシリだって所だよな。


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