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特別試験の全貌〜綾小路side〜
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…そっか」

 

 沢田の顔が悲しそうに歪んだ気がした。

 

「……この世界では勝つ事が全て。どんな過程を辿ろうと、最終的に俺が勝ってればそれでいい。お前も堀北も、そして龍園も、俺に取っては都合のいい道具に過ぎないんだよ」

「……」

 

 俺の言葉に沢田が完全に俯いた。

 

(……さすがに呆れられたか。まぁしょうがないな)

 

 そう思っていたが、俺の想像とは裏腹に沢田は微笑みながら顔を上げた。

 

「……そっか。綾小路君は迷っているんだね」

「! ……急になんだよ」

「俺の事を友達や仲間だと思った事はないって言ってたけど……それは嘘だよ」

「……なんでそう思うんだ?」

「本当に俺達の事を道具だとしか思ってないなら、俺に勝負なんて挑まないもん」

「!」

「俺の考え方が理解できないって言ってたけど、本当は理解したかったんじゃない? だから自分と俺のやり方を比較しようとしたんでしょ」

「……」

「勝負を挑んできた時から思ってたけど、綾小路君だって友達や仲間と力を合わせて問題解決を目指してるじゃない? 君と俺の違いは、協力者の捉え方と扱い方だけだ。だから、どちらかの考えにまとまる事もそう難しい事じゃないと思う。……普通なら」

 

 沢田は不自然に最後に言葉を付け足した。

 

「……普通なら? どう言う意味だ」

「いや、綾小路君ってさ。よく分からないけど普通の高校生じゃないよね」

「……」

「あ、気を悪くしたらごめん。でも俺は間違いなくそう思ってるんだ」

「……そうか。なら俺も言わせてもらうが、お前もまともな高校生じゃないだろ?」

「あはは、ひどいなぁ〜」

「……お互い様だ」

「……でもさ、そんな俺達でも何度もぶつかれば分かり合えると思うんだよ」

「……分かり合えるだと?」

「うん、お互いに大事にするものが違うならぶつかるのは当たり前だよ」

「……沢田。お前、龍園や俺のやり方を認めると言うのか?」

 

 俺がそう問うと、沢田はきっぱりと拒絶した。

 

「いや、認められないよ。絶対に」

「……じゃあ、なんでぶつかり合えば分かり合えるとか言ったんだ?」

「簡単だよ。ぶつかり合っていれば、いつか君は俺の考え方を認めてくれる。そう確信してる」

「……確信か。根拠でもあるのかよ」

「ううん、只の直感だよ?」

「……は?」

 

 真顔で勘だと言いのける沢田。やはりこいつはまともな高校生ではない。

 

「ただの勘で、よくそんな自信満々になれるよな」

「う〜ん、俺の勘もだけど。綾小路君の事を信じ
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