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ようこそボンゴレ]世。実力至上主義の教室へ
特別試験の全貌〜綾小路side〜
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取引をしないか?」

「あ? 取引だ?」

 

 龍園が足を止めた。どうやら話を聞く気があるらしい。

 

「もし俺を見逃してくれるなら、須藤を退学させようとした時にお前の邪魔をした沢田に報復する機会を作るぞ?」

「! ほう、報復か」

 

 龍園はニヤリと笑った。

 思った通り、須藤の事件の結末に不満を残したままの様だ。浜辺での堀北との会話からそうじゃないかと思っていた。

 

「そうだ。後、この試験終了までお前の手伝いをしようじゃないか」

「……わからんな。あのパシリとお前は仲間だろう? なぜ仲間を売る?」

「……少しの間でいいから、沢田をDクラスから引き離したいんだ」

「……ほ〜?」

「とにかく沢田の足止めをしてくれればそれでいい」

 

 龍園は考え込み始めた。

 正直、普通なら怪しい理由の俺の提案を受け入れたりはしないだろうが、今の状況なら可能性はある。

 

 髭が伸び放題で薄汚れたジャージを着た龍園の姿。これは他クラスにバレない様に必死で潜伏している証拠だ。それなのに、わざわざ危険を犯して森で何かを散策していたという事は、危険を犯してでも見つけたい何かがあるんだろう。

 

 だから、この状況においては俺の提案は龍園にとっても都合がいいはずだ。沢田を殴る事でストレス解消を、俺を使って探し物を見つけ出す可能性の向上が見込めるからな。

 

 そして、龍園は俺と沢田を堀北の腰巾着と須藤のパシリだと思っている。

 そんな奴らが足を引っ張りあっているのだから、Cクラスの勝利に影響が出るとは思わないだろう。

 

「……いいだろう。お前の提案を聞いてやる」

「そうか。じゃあまず頼みたい事があるんだが……」

 

 龍園が俺の提案を受け入れた。

 俺はすぐに沢田の足止めをする為の作戦を龍園に話して聞かせた。 

 

 6日目の午前中に、Dクラスから誰か2人を森の最深部に誘導する。

 龍園はその人物を気絶させて、崖下の砂浜におろして欲しいと。

 

 ありがたいことに、安全に砂浜に落とす方法は龍園が考えてくれた。

 

「Cクラスが買ったマットレスが2つ砂浜に残っている。それを崖下に敷けば落下の衝撃は緩和できるだろう。マットレスは、夜中に水上バイクに水に浮かぶ足場を繋いで運べばいい。Bクラスに行かせてる金田に手伝わせよう」

 

 との提案をしてきた。俺はその案を採用し、更に安全にする為に落とす時の角度や速度を計算しておく事にした。

 

 4日目には伊吹が騒いでいたが、おそらく何かしらの行動を沢田と仲のいい姉妹校の女子に阻止されたんだろう。
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