特別試験、ラスト4日間。
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くそんな先まで考えられるよ」
「どうしますか?」
「……レオナルドとカルメンに龍園君に偶然を装って遭遇するように伝えて」
「いいんですか?」
「うん。龍園君が何を2人に言うのか気になる」
「分かりました」
そして獄寺君はトイレへと向かって行った。
レオナルドとカルメンに連絡をしに行ったようだ。
その後。6日目ともなると、食糧も貯蓄が出来ているので探索の必要もなくなってくる。
もう皆がそれぞれのしたい様に過ごしていた。
俺はというと、午前中は池君達と水遊びを楽しんでいた。
やがて午後になると、突然池君が空を見上げながら険しい顔をし始めた。
「……これは雨降りそうだなぁ」
「まじかよ。今日まで雨降らなかったのにな」
池君に習って俺も空を見てみると、確かに雨雲が増えている気がした。
(……堀北さんを雨に当てるのはきつい。もう早めに行動を開始した方がいいな)
そう思って、俺は昼食を食べた後に堀北さんに声をかけようとした。
しかし、その前に綾小路君に話しかけられてしまった……
「……おい、沢田」
「! 綾小路君、どうしたの?」
少しの間を置いて、綾小路君は淡々と用件を話し始めた。
「……1時間くらい前に、櫛田と佐倉の2人が森の中に入っていった」
「うん」
「……で、そのまま森の中で消えた」
「……は?」
意味が分からなかった。いきなり何を言い出すんだと思っていたら、綾小路君は続きを話し始めた。
「……森の最深部に向かって行ったんだけどな、そこで急に消えたんだよ。……あ、そういえば森の最深部って、この島の端っこで少し高い崖らしいぞ。その島の端っこで急に消えたなんて……海・に・落・ち・な・い・限・り・有・り・得・な・い・と思わないか?」
「なっ!?」
話を終えた綾小路君は、何一つ表情を変えずに俺の事を見ている……
そんな姿に俺は無意識の内に綾小路君の肩をガシッと掴んでいた。
「……したの?」
「……は?」
「……付き落としたの? 綾小路君が?」
「……そんな事はしていない」
「……2人は無事なの?」
「……無事だと思うぞ? 今はな」
「……今はってなんだよ」
「……この時間、島は干潮なんだよ」
「……干潮?」
「……後は行って確かめろ」
一切の罪悪感を感じさせない綾小路君。
俺は彼の肩からゆっくりと離して森の方へ方向転換する。
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