特別試験、ラスト4日間。
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定したらなんかすごく驚いていたし」
「下着泥棒が出たのかと思ったからだ。何も取られてないならいいじゃないか」
「はぁ!? さっきのあんたの反応を見たら簡単に安心できないから!」
「女子全員が荷物を確認したが、何も消えてなかったじゃないか」
何やら不穏な言い合いをしている2人を、平田君が宥める。
「まぁまぁ。結局は何もなかったんだし、それでいいじゃないか」
「平田君、でも……」
「こんな環境なんだ。精神が疲弊して夢を現実と勘違いしてもおかしくないよ」
「……わかった」
平田君に説得されて、渋々納得した様子の軽井沢さん。
何があったのかと思っていると、須藤君が声をかけてくれた。
「ツナ、起きたか」
「須藤君、おはよう。……何があったの?」
俺の質問に、須藤君は憎々しげにさっきの出来事を話し始めた。
「なんかよ、伊吹が1人で騒ぎ出したんだよ。男子が軽井沢の下着を盗んだとかよ」
「ええ!?」
「まぁ、すぐに軽井沢が確認したら盗まれてなかったんだけどな?」
「あ、そっか。よかった〜」
「でよ。伊吹が『本当に盗まれてないのか』とか『ちゃんと見たのか』とかしつこく喰い下がってきてさ。それで女子達が何でそんなに必死なのかって言い合いになってよ」
「あ、そういう事だったのか」
須藤君から女子の中にいるクロームに視線を向けると、クロームも同時にこっちを見ていた。
「……(こくっ)」
「!(こくっ)」
アイコンタクトと頷く動作でクロームと会話をした。
これはクロームが何かしてくれたんだろう。
きっと伊吹さんが軽井沢さんの下着を隠してたのに、クロームがそれを見つけて軽井沢さんのナップザックに戻しておいたんだろうな。
ひとまず争いは終わったけども、Dクラス内にはその後も不穏な空気が流れ続けていた。
Dクラスの皆の頭の中に、『伊吹が何か仕掛けてきているんじゃないだろうか』という疑心が生まれているんだろう。
その影響で、特別試験4日目、5日目は特に何もなく日々は過ぎて行った……
?? 特別試験6日目、朝。 Dクラス拠点 ??
6日目の朝。Dクラス内には相変わらず不穏な空気が流れている。
そんな中、朝食を済ませた俺に獄寺君が話しかけてきた。
「……10代目、ビアンカから報告が上がりました」
「! ……そっか。どうだった?」
「……だそうです」
「! ……なるほどねぇ。よ
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