Dクラス、平穏が戻る?
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。
なのに、なぜか沢田君から放たれる言葉は、自分の思考に関わらずに勝手に体の中に取り込まれてしまう様な感覚があるのだ。
(よく分からないけど、ひとまず彼の言う通りにしてみよう_)
そう思った私は彼の望む行動を取ってみた。すると、今までの事が嘘かのように全てが上手く進んでいった。
自分が指揮を取っていた時と、沢田君の言う通りにしてからの作戦の進行スピードの違いを目の当たりにして、私の方が彼に使われる立場なのね。そう思って自分の無能さを思わず呪った事もあった。
しかし、沢田君は私の事を駒ではなく、一緒にAクラスを目指すパートナーだと言ってくれる。
きっと私の様に人を上から判断するのではなく、同じ場所に立って人を見ているのだろう。
そういう考えにたどり着いた時、私は彼を駒ではなくパートナーと考えようと決めた。
沢田君と一緒にいれば、私に足りない物をいつか理解できそうな気がするから……
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「……次に須藤君、いや、Dクラスの誰かに直接手を出したらその時は……死ぬ気で相手するから。……それを覚えとけ」
沢田君が階段を下りて行く3人にそう言い放った時。
私はあの時の事を思い出していた。
そう。私が兄さんに無能の烙印を押された時に、兄さんの攻撃から私の身を守ってくれた時の沢田君。
あの時の、普段とは違う雰囲気を放っていた彼と同じ雰囲気を感じたのだ。
しかし、3人が去った後にこっちに振り返った沢田君からはそのような雰囲気は消えており、いつものように純真な子供の様な笑顔を見せていた。
「ふぅ! 作戦通りうまく行ってよかったね! 2人共ありがとう!」
「……はぁ」
笑顔でそう言って来た沢田君に、私は思わずため息をついてしまう。
たった今、自分の計画通りに訴えを取り下げさせる事に成功したというのに、自分の功績ではないかのように私達を労う彼が理解出来なかったのだ。
(自分だけそんなに怪我を負ってるのに、どうしてそんなに嬉しそうに私達を労えるのかしら)
そもそも、私が作戦を聞かされた段階では、「3人に一発づつ殴らせる」と言っていたのに、沢田君はそれ以上の暴行を受けた。それを見てさすがに止めようとしたら、綾小路君に止められてしまった。
きっと、沢田君が綾小路君に頼んでいたのだろう。「1発じゃ済まないだろうから、堀北さんが止めてこない様にしてほしい」とでも言って。
顔に青
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