]世、事件にけりを付ける。
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っ!?』
予期せぬ発言に、石崎君達は驚愕の表情を見せる。
「ばかな、そんな証拠あるわけねぇだろうが!」
激昂する石崎君に、今度は俺が話かけた。
「あるんだよ、証拠が」
「ああ!? だったら見せてみろよ!」
「……あれは何だと思う?」
「は? あれだと?」
俺は、踊り場から続いている特別教室の廊下を指さした。
早朝である事と、特別棟は普段使われていない事もあり、その廊下は電気が消えていて薄暗い。
「……何もねぇじゃねぇかよ」
廊下を見回しながら、石崎君がそう言った。
「よく見てみてよ。黒いから分かりづらいけど、壁側の方に確かにあるから」
「壁側だと? ……なっ!」
目を凝らして壁側を見た石崎君は、目を見開いて驚愕した。
「ビデオ……カメラ?」
石崎君の言う通り。本体も三脚も真っ黒なビデオカメラが設置されているのだ。
「そう。あれは映画同好会の撮影用カメラだよ」
俺がそう言うと、石崎君は慌てているのを押し隠しながら俺に喰ってかかってきた。
「……それがなんだよ!? あのビデオカメラが俺達が須藤をボコってるとこでも撮ってたとでもいうのかよ!」
「その通りだよ。あのカメラはちょうどあの事件の起きた日の昼から録画を続けていて、踊り場の窓から見える太陽が敷地内の建物の後ろで上り沈みをする様子を撮ってたらしいんだ。それでね、昨日佐倉さんの写真に写ってた君達は……踊り場の窓際で須藤君に殴りかかってたよね?」
「!」
「つまり……暴行の現場がバッチリ録画できてるという訳なんだよ」
事実を突きつけられた石崎君は、怒鳴りながら反論を始める。
そしてそんな石崎君に感化されたのか、小宮君と近藤君も怒鳴り始めた。
「ふざけんな! あの時にあんなカメラはなかった! そうだろお前ら!」
「そうだ! あんなカメラは絶対になかった!」
「俺達を騙そうったってそうはいかねぇぞ!」
自分から罪を認めるかの様な発言をする3人。
本来ならこんな発言はしないだろうが、退学になるかもしれない恐怖、暑さから来る苛立ち。そして、格下の俺達に言われたい放題という現状。これらが積み重なって、3人の正常な思考力を奪っているのだ。
そんな彼らに、俺はもっと攻めていくことにした。
「……なんで嘘だって言い切れるのさ」
「ああっ!? 調べたからに決まってんだろ!」
「あの日の3F廊下に、ビデオカメラなんて
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