]世、解決に向けて動く。
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」
「そのようだな……それにしても、暑いな」
綾小路君はブレザーを脱いでいて、シャツの首元をパタパタと動かしている。
確かにこの特別棟の廊下はすごく暑い。それは、一昨日須藤君の目撃者探しをしていた時に分かっていた。
「そうね……こう暑いと、正常な思考は出来ないでしょうね……」
「……なぁ堀北。お前、須藤の完全無実をどうやって証明するつもりなんだ?」
「……知らないわ」
「……はぁ? じゃあなんで生徒会長にあんな啖呵切ったんだよ」
気怠げな綾小路君の質問を、堀北さんはばっさりと切り捨てた。
「私はただ、沢田君にバトンタッチされた時に言われた通りにしただけよ」
「……言われた通り?」
「ええ。『佐倉さんの出す証拠を見ても、Cクラスは須藤君の無実を認めないと思う。きっとお互いに罰を受けるという和解案で終わらせようとしてくるはず。そうなったら……絶対にその和解案を受け入れないで、あくまで須藤君の完全無実を主張してほしい。そうすれば絶対に須藤君を完全無実にできるから』ってね」
「! ……沢田、どういうことだ? そんな方法をいつ思いついたんだ?」
綾小路君が訝しげな表情で俺にそう聞いてきた。
「あはは、ちゃんと思いついたのは会議室に入った時だよ」
「……会議室に入ってから?」
「うん。会議室に入ったらね、須藤君が不思議そうな顔で石崎君達の事を見てるんだよ。それでどうしたのってきいてみたらさ……」
〜 1時間前、会議室 〜
「いや、あのよ……石崎達の怪我の度合いがおかしいんだよ……」
「怪我の度合い?」
「ああ。俺があいつらにした暴力ってのはさ、ボディを2、3発殴って動けなくしただけなんだよ。それなのに……あいつらは顔面や腕に怪我してんだろ? どうもおかしいんだよなぁ……」
〜 回想終了 〜
「って、言われたんだ」
「……それが?」
理解できなかったのか、堀北さんがそう言ってきた。
「あのね。石崎君達の負っている怪我が須藤君によるものじゃないとしたら、石崎君達の怪我はあの事件の後に受けた暴力が原因になるでしょ?」
「……ええ」
「だったらさ、一番可能性の高いのは……須藤君に受けた暴力が思ったよりも軽くて、今の状態じゃ『須藤君に受けた暴力が原因で怪我をしました』って状況を作り出せない。だから……そう見えるように追加で別の誰かから暴力を受けた、って事じゃない?」
「っ! ……確かにそうね」
「……なるほどな」
綾小路君と堀北さんは目を見開いて頷
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