Dクラス、トラブルが起きる。
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家電量販店を出た俺達は、テラス風のカフェに来ていた。
「あの……今日はありがとうございました」
「いいよいいよ! 元々私の所為だったわけだし」
「気にしなくていいよ」
「はい……」
まだ申し訳無さそうな佐倉さんに、桔梗ちゃんが話しかけた。
「佐倉さん、私達同級生なんだしタメ口で話していいんだよ?」
「あ、そういえばずっと敬語だよね」
「……わ、わかった。頑張ってみる、ね……」
「あはは、無理はしなくていいからね。……あ、ごめん。私ちょっとお手洗いに」
桔梗ちゃんがお手洗いに行ったので、俺と佐倉さんの2人きりになった。
「……」
「……」
「……あ、あの」
しばらく無言が続くかと思えば、佐倉さんの方から話しかけてくれた。
俺から話かけてあげれば良かったなぁ……
「どうしたの?」
「さ、沢田君は、どうして修理依頼書に、私の代わりに記入してくれたの?」
「ああ、佐倉さんがあの店員さんをすごく怖がってたから。そんな相手に住所を教えたくないだろうと思ってさ。あ、法律の事は前に綾小路君に聞いた事があったんだよ」
「……そっか。あ、ありがとう」
再び沈黙が訪れるが、佐倉さんがチラチラとこちらを気にしているのが分かった。
今度は俺から話しかける事にしよう。
「佐倉さん」
「っ! は、はいっ!」
「何か、言いたい事がありそうな顔をしてるけど……どうかした?」
「! ……」
俺にそう言われた佐倉さんは、モジモジしながら話を始めた。
「沢田君は……どうするのが正しいと思う?」
「……正しい?」
「うん……本当の事を言わなかったら、後悔するとは思うんだ。……だけど、私なんかが言った所で誰も信じてくれないかもって思ったら……怖くなっちゃって」
佐倉さんの体がまた震え出した。
「……佐倉さん」
俺は微笑みながら、なるべく恐怖心を与えないように佐倉さんに近づいた。
「! 沢田……君?」
「ありがとう。須藤君の為に勇気を出そうとしてくれて。本当に嬉しいよ」
「……うん」
「でもさ、須藤君の為だって事は一度忘れてみなよ」
俺の発言がまさかの発言だったのか、佐倉さんは驚いた表情で目を見開いた。
「えっ? ど、どうして?」
「誰かの為じゃ無く、自分の為に証言をしてほしいんだ」
「……自分の為に?」
「うん。自分が後悔しない為に。証言する
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