滅神魔法と滅悪魔法
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の敵であるティオス。その存在はシリルの身体を器にして蘇ったレオン。それゆえに二人はそのティオスになりうる存在と危惧することもできるが、男は首を横に振る。
「確かにあいつもティオスの一部だ。だが、あいつはもうティオスになることはできない」
「もう?」
意味深な彼の言葉に目を細めるリュシー。その問いに男は頷いてから、言葉を紡ぐ。
「そもそもなぜレオンがあれだけの魔力を手にしているか、考えたことはあるか?」
「「「??」」」
彼の問いに三人は顔を見合わせた後、その答えを模索しようと頭を回転させる。考えが纏まったのか、カミューニが最初に口を開いた。
「シンプルに才能があったからじゃねぇのぉ?」
「でも、それだと造形魔法が使いこなせてなかった理由がわからないわ」
「それもそっか」
レオンは魔法に関して元々は苦手にしていた部分がある。しかし彼は滅神魔法を覚えた途端、フィオーレ最強クラスの魔導士にまで進化することができた。
「滅神魔法がレオンの身体に合っていた?」
ヨザイネの言葉に頷く男。彼はそれに付け足して話を続ける。
「レオンの身体・・・というよりレオンがあの魔法を手にいれた経緯として、力を発揮しやすくなったというのが正しいか」
「どういうこと?」
一度理解できたと思ったところでまたしても別の理論が出てきたために困惑する面々。男は立ち上がり、窓の外を見ながら口を開く。
「お前には前に話したよな。シリルとティオスはある魔法を有しているから天使に近い力を使うことができると」
「そんな話あったわね」
以前シリルを助けに向かった後、男から話された仮説。それが何のことなのかわかっていなかったヨザイネはその答えが聞けるのかと思い、静かに彼の方へと視線を向けていた。
「俺たちは滅竜魔法のせいで勘違いしていたんだ。ドラゴン同士は争いを起こすから互いに互いを滅する力を保有していなければならない。だが、あの二人が有している魔法はどうだ?」
「滅神魔法と滅悪魔法のこと?」
「・・・あ」
「「??」」
男の言葉を聞いて何が言いたいのか理解したカミューニは顔を挙げる。いまだに理解が追い付かない女性陣二人は二人の顔を交互に見合わせていた。
「そうか・・・そういうことか」
自分の言いたいことに理解を示すものが現れたことで満足げな表情を浮かべる男。彼は三人の方を向き直り、自身の仮説を述べた。
「レオンは魔法学校での出来事のせいで"負の感情"が強く人格形成されてしまった。だが、そのおかげで滅神魔法の効果を最大にまで引き上げられているんだ」
「負の感情で強くなる魔法?」
「なんで?」
首をかしげる二人。その二人に後ろからカミューニも言葉を述べる。
「ドラゴンが
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