滅神魔法と滅悪魔法
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シリルside
俺たちの方を見下ろしているレオンたち。そんな彼らは覚悟が決まっているのか、戦いに出てくる気配が伝わってくる。
「俺はグレイをやる」
「じゃあソフィアはどっちにしよっかなぁ」
リオンさんは兄弟弟子であるグレイさんをターゲットにしている様子。その横でソフィアが俺とウェンディを交互に見ていたが、その間にレオンが割って入った。
「俺がシリルだ」
「いいよぉ、ウェンディとイチャイチャできるし!!」
舌なめずりをしているソフィアにウェンディの顔がひきつっていたけど、それをフォローするために動くことができない。なぜなら既にレオンが俺の目の前へと現れ攻撃を仕掛けてきているのだから。
「ぐっ」
ギリギリ視界で捉えることができたため防ぐことができた。しかし彼はまだ魔法を使っていない。それなのに防いだ左腕に激痛が走る拳に顔をしかめる。
「さすが、いい反応するよな、シリル」
「そっちこそ」
ニヤリと笑みを浮かべているレオンに俺も同様の反応で答える。俺は手に水を纏うとそのまま拳を振るい、彼はそれを弾くように受け止めた。
第三者side
「あの二組が戦っている状況になっているのか」
「うん。しかもシリルとレオンのマッチングだよ」
状況を確認してきたヨザイネからの報告にタメ息が漏れ出るカミューニ。他のメンバーたちも一対一での戦いが行われていることに全員が頭を抱える。
「止めに行くべき?」
「いや・・・下手なことをするとその時点で計画がおじゃんになりかねない」
様々な情報を仕入れていることもあり迂闊に動くことも憚れる彼らは頭を悩ませていた。そんな中、黒装束の男だけは冷静な様子で腕組みをし、ただ黙している。
「あんたは冷静でいいわね、天海」
「お前たちが焦りすぎなんじゃないのか?」
「そりゃ焦るでしょ。下手したらせっかく強化するために送り出した人員が削れちゃうかもしれないのに」
リュシーの言葉を聞いた彼は呆れたようにタメ息を漏らしながら首を振る。それが何を意味しているのか他の三人はわからず顔を見合わせた。
「逆だろ。さらなる進化が得られる可能性があるじゃないか」
わずかに見えた口元が緩んだのを見て、三人はタメ息をついた。この事態がどれだけ彼らにとって最悪であるのか、男は把握できていないようだからだ。
「進化も何も、ここで負けて重大なケガをする可能性の方が高いだろ?特にレオン相手じゃ・・・」
「俺はそうは思わない。あいつはティオスの一部だからな」
ニヤリと笑みを浮かべる男。そんな彼を見てヨザイネは目を細めた。
「それを言ったらレオンもティオスの一部よ」
彼らが戦った最大
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