第百一話 残暑を感じてその十二
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「絶対にです」
「手を出してはいけないですね」
「一度手を出せば」
そうしてしまえばというのだ。
「そこからです」
「ずるずるとやって」
「止めることは非常に難しいので」
こうしたこともあってというのだ。
「絶対にです」
「手を出さないですね」
「最初からです」
「そうないと駄目ですね」
「はい、麻薬の類はです」
「お酒はよくても」
「決してです」
強くだ、咲に告げた。
「してはいけないです」
「東京ってそうしたお話も多いですしね」
「小山さんが危うくです」
「コンビニで、ですね」
「密売人の傍に行かれた様に」
「この街は繁栄し」
そしてというのだ。
「栄華と共に腐敗もです」
「ありますね」
「光と闇がです」
その両方がというのだ。
「他の場所よりもです」
「あるんですね」
「隣り合わせになっている」
「そうした街ですね」
「そうですから」
それ故にというのだ。
「お気をつけて」
「失恋の時も」
「お酒で洗い流すならいいですが」
「お薬に手を出したらですね」
「お酒もお水も溺れたら危険です」
速水はこの場合は駄目であるとした。
「自棄酒でも洗い流すならいいです」
「それでも溺れるとですね」
「ずっと飲み続ける様な」
そうしたというのだ。
「ことはよくないですが」
「それでもですね」
「お薬は論外です」
「絶対に手を出さない」
「そうです、覚醒剤なぞ軽い気持ちで手を出して」
速水はよくある話をした、事実その時だけと思いそのうえで手を出してそうして溺れた人は実に多い。
「溺れてです」
「破滅する人は多いですね」
「はい」
まさにというのだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「はい、お薬はです」
「手を出さない」
「そうして下さい」
「わかりました」
咲も確かな声で答えた。
「そうします」
「それが大事です、ではこれからも生きていって下さい」
「そうします」
咲は頷いた、そうしてだった。
この日もアルバイトに励み日常を生きていった、その中で人生に必要なものを学んでいくのだった。
第百一話 完
2023・3・1
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