第百一話 残暑を感じてその十
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「何があっても」
「乗り越えることですね」
「そうすることです」
「落ち込んでもですね」
「それを乗り越えて」
そうしてというのだ。
「前に進むことです」
「失恋は辛くても」
「それでもです」
「そうですか、それでからかったりする人は」
「相手にしてはいけません」
絶対にと言うのあった。
「気にしてもです」
「いけないですか」
「そうした下らないことをする人は他の人にもします」
若し咲が失恋してそのことを言う輩がいてもというのだ。
「そして怨まれるのがヲチなので」
「だからですか」
「はい、気にしないことです」
「私は怨んではいけないですね」
「復讐鬼になればです」
「碌な末路を迎えないですね」
「そうなりますから」
だからだというのだ。
「怨まないことです、人を呪えば穴二つですが」
「怨みはですね」
「自分を復讐鬼にして」
そうしてというのだ。
「本当にかちかち山の兎になります」
「ああなるんですね」
「そうです、ですから」
「怨まないことですか」
「何としても」
「それがいいんですね」
「流石に太宰の方はおかしいにしても」
こちらの兎はというのだ、速水は語りながらこの兎は実はサイコパスだったのではないかと思っていたがそれは言わなかった。
「原典の方もです」
「やり過ぎですね」
「卑劣で残虐ですね」
「そうですよね」
「ああなっては悪いに決まっています」
当然という言葉だった。
「言うまでもなく」
「そうですよね」
「はい、ですから若し失恋して」
これからというのだ。
「そのことを言われても」
「気にしない」
「あらかじめわかっていればいいかと」
「言われることが」
「そうであれば心構えも出来るので」
それ故にというのだ。
「かわすこともです」
「出来ますね」
「下らないことを言われても」
「気にしない、ですね」
「そしてすぐにです」
「乗り越えることですね」
「失恋は辛いことです」
速水はこのことは否定しなかった。
「好きな人と一緒にいたいと思うのは誰しも同じで」
「それが適えられないとですね」
「やはり辛いです、ですが」
「すぐに乗り越えることですか」
「忘れて。その場合多少飲んでもいいです」
酒をというのだ。
「危険なことをしなければ」
「麻薬とかですか」
「はい、そうしたものに溺れなければ」
そうであればというのだ。
「全くです」
「お酒を飲んで、ですか」
「それが自棄酒でもです」
その様に飲んでもというのだ。
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