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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
第二百七十六話
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が伸び、地に伏せる。
全身に尾と同じ色の毛皮をまとう。
たかだか数秒で骨格から何から何まで変えてしまった。
箒が、箒だった獣が地面を踏みしめる。
もふっ、と円香を尻尾で巻取り。
ぽすん、と背に載せた。
だっ、とかけだした。
「ずいぶん、昂ぶってるみたいだな箒のやつ」
見た感じ大丈夫そうだな、と一夏は箒の後を追った。
次の目標集団めがけて駆ける箒。
数分で次の目標集団まで迫り、蹂躙を始める。
月明かりに照らされ、黄金に輝きながら。
防御するまでもなく、銃弾は当たらない。
アサルトライフルも、サブマシンガンも、拳銃も、駆けて跳ねる箒とその上にまたがった円香を捉えられない。
箒の牙が、爪が。
円香の刀が、魔法が。
敵を切り裂き貫く。
一夏が援護する間もなく、敵は殲滅された。
「クュルルル……」
徐ろに、箒が敵の一人に噛み付いた。
既に息絶えた、生暖かい死体の頸を。
「箒?」
ばき、ぐしゃり、ごきん。
”ごくん”。
「よせ箒!」
一夏が急降下し、箒の首に掴みかかる。
短い手で、太い首を抑える。
締めることはしないけれど、制止するに十分な力で。
「吐け!」
「グルルルルルゥ」
箒が何故止める?と講義する。
『私は、お前と一緒になりたい。お前が人を喰う存在なら、私も人を喰う存在でありたい』
再び敵兵の死体に喰らいつこうとする箒の首を抑える。
「落ち着け。それはお前の、人としての本心か? 獣の本能に流されていまいか?」
『どちらも。だ』
「そうか」
一夏はどうすればいいかわからず、手を緩めた。
「一度、人の姿に戻ってくれ」
箒が再び尻尾で円香を巻取り、背中から下ろす。
「寒いな」
箒がムーバルスーツを量子展開した。
黒いスーツ、差し色の銀、金色の髪と尾。
血に濡れた、口元。
「どうだ?意識ははっきりしているか?」
「ああ。問題無い」
「さっきの、お前の食人衝動はまだあるか?」
「落ち着いたが、なくなってはいないな」
「…………美味かったか?」
「嫌いな味ではないな」
「そっかぁー」
一夏は天を仰ぎ、空に浮かぶ月を見上げる。
「まどかー」
「なに?お兄ちゃん?」
「お前はこうなってくれるなよ。俺や箒みたいには」
円香が一夏の口元を見て、応えた。
三日月のように歪んだ口元を。
歓びを押し込めきれぬ顔を。
「そう言う割には、お兄ちゃん嬉しそうだよ?」
「ああ。歓しいよ。悔しいことに。恋人が人外に至ったことが。俺を追ってきてくれたことが
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