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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
第二百七十六話
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切れる。

普通なら。

唐突に、右翼からの銃撃が止む。

しばらくすると、右翼の敵を表すグリットが減り始め、遂には全て消えてしまった。

『だいいちもくひょークリア』

「まだ行けそうか?」

『ぜんぜんよゆう!おとーさんたちは?』

「まぁ、持つだろう。これくらいなら」

『早めにおわらせるね!』

そう言ってエレオノーラが通信を切った。

その数十秒後、月明かりに照らされた前方の敵陣でおおきな砂埃が舞う。

『だいにもくひょークリア! のこりも急ぐね!』












「やっぱあんまよくないってこれ…」

一夏が眼下の惨状を見て頭を抱える。

「俺か?俺が悪いのか?血印の悪影響か?」

鏖殺。

圧倒的な力による殲滅。まさに巨像がアリを踏み潰すがごとき圧倒。

箒と円香に銃弾は効かない。

まず強力な干渉装甲がある。

魔法師なら皆誰もが無意識に展開する障壁だ。

それに加えて意識的な障壁。

いま二人が張っているのは単純な対物障壁だ。

仮にこの2つを抜いたとて、鋼気功によって強化された肉体が阻む。

逆に箒と円香の一撃は防ぐことができない。

頑強かつ魔法をよく増幅・伝達するサイコEカーボン製のカタナ・ブレイド。

その刀身にかけられた魔法は”圧切”。

エッジに展開された斥力フィールドによって、事象干渉力を切れ味に転化する魔法だ。

この二人の事象干渉力であれば、この地球上に存在する物質で斬れない物はないだろう。

そんな防御不可の一刀が確かな技術によって振り下ろされる。

包囲殲滅もできない。

フレンドリファイア覚悟のクロスファイアも、踏み込み一つ、居合一閃で突破される。

数人がかりで近接戦を仕掛けても、ナイフは通らない。

組み付いても膂力で薙がれ、蹴りの一撃が肉体を貫く。

そうして、音が消えた。

「終わったぞ。一夏」

「終わったよ。お兄ちゃん」

「ああ。お疲れ様。これでのこり3集団だな」

一夏が二人が飛んでくるのを待つが一向に地面を蹴らない。

「どうした箒?円香?」

箒に声をかけるが、一夏の声に反応しない。

円香は箒と一夏の間で視線を彷徨わせる。

「具合が悪いのか?」

と一夏はそうでないと知っていて聞いた。

箒から伝わってくる感情は昂り。

プシオンの輝きも明るい。

徐ろに、箒がムーバルスーツを量子化した。

砂漠に顕になる箒の裸体。

「クュルルルルルォォォォォォォォォン!!」

「は?」

遠吠えをあげ、その身を獣に変えてゆく。

髪が黄金色に染まり、4本の尻尾が伸びる。


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