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星河の覇皇
第八十四部第一章 梟雄の復活その二十九

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「市民は絶対に餓えない」
「電気も水道も問題ない」
「そうした生活もですね」
「維持出来る様にです」
「我々はしていきましょう」
「必ず」 
 経済産業省はこうした話をしていた、当然これもシャイターンの考えでティムールは彼の考えのまま動いていた。
 しかいその彼はまだ目覚めない、それでだった。
 閣僚達そして軍の上級大将等最高位にある者達は次第に焦燥を感じていた、それでサマルカンドで言っていた。
「今日の筈だが」
「インフルエンザなら完治するのは」
「面会謝絶の状態が終わるのは」
「しかし遅い」
「それはまだか」
「医師からの報告はまだか」
 シャイターンの病室に向かった医師からのそれはというのだ。
「もう戻ってきてもいい筈だ」
「だが何故まだだ」
「まだ診察中なのか」
「そうなのか」
「そんな筈がないが」
「それでどうして遅れているのだ」
「体温は安定されていると聞く」
 そうなっているというのだ既に昨日聞いている、それで彼等もそれならばと安心したのである。だがそれは。
「昨日のことだ」
「体調は変わるものだ」
「まさかご病状が悪化したのか」
「それはないと思うが」
「まさか」
「ここに来て」
「諸君、落ち着くのだ」
 ここでこの場で主席の初老の男が言ってきた、ムワーフ=サルマーンだ。ティムール軍陶酔本部次長であり階級は上級大将だ。
「今日とのことだな」
「はい、そうでしたね」
「今日とのことです」
「それならばですね」
「待てばいいですね」
「今は十二時だ」
 昼のとだ、サルマーンは落ち着いた声で言った。
「そうだな」
「はい、まだですね」
「昼の十二時ですね」
「左様ですね」
「そうだ、それに診察が多少時間がかかってもだ」
 それでもとだ、サルマーンはさらに言った。
「大丈夫だ」
「左様ですね」
「閣下はお若いですし」
「インフルエンザは確かに危険な病気ですが」
「死亡する可能性は低いです」
 サハラの医学でもそうなっているのだ。
「あまり高くはありません」
「問題は体力です」
「体力の低下ですが」
 そこから死に至るというのだ、こうした事例は特に高齢者でこの時代でも存在していることであるのだ。
「しかしです」
「閣下はお若いですし」
「尚且つ常に点滴を受けておられます」
「栄養注射もですし」
「それならですね」
「安心していいですね」
「士官はどうあるべきか」
 サルマ0ンはこうも言った。
「諸君等は入隊から教わり身に着いているな」
「常に冷静であれ」
「憔悴なぞ禁物である」
「そう言われていますね」
「常に」
「そうだ、だからだ」
 それでというのだ。
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