第35話 剛毅なる者
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す。
「ありがとう。揚羽」
私は揚羽が彼らを救うことに納得してくれたことを感謝しました。
「お礼は彼らを無事助け出してからにしてください。正宗様。私も助成します」
揚羽は私に力強く微笑みました。
「斗詩と猪々子は父上と袁逢殿の元に使いとして行ってくれないか」
「えーーーーーー。ここでアタイと斗詩だけ洛陽に帰るなんて嫌だよ」
猪々子は不満気に言いました。
「もう、文ちゃん。空気読んでよ!正宗様。使いのお役目はお任せください」
斗詩が猪々子を嗜めつつ役目を受けてくれました。
「皆。彼らを救出しにいくぞ!揚羽。策を考えてくれ。斗詩と猪々子は文を書くから、それが出来次第ここを立ってくれ」
「仕方ないなあ。分ったよ。アニキ。お土産を沢山買ってきてくれなきゃ駄目だからな」
猪々子は渋々言いながら、ちゃっかりお土産を要求してきました。
「もう!文ちゃん。すいません。正宗様。使いのお役目は必ずやり遂げます。ご安心ください」
「二人とも頼むぞ。猪々子。土産は期待して良いぞ」
「本当っ!やったあ。流石、アニキ。使いは任してくれよ」
猪々子は土産が買ってくると言ったら俄然やる気を出しているようでした。
「正宗様時間がありません。戯れあうのはその辺にしてください。策の方なのですが、官軍の注意は結果的に彼らが引いてくれています。まず、正宗様が官軍の後方を襲撃して官軍を撹乱させます。後は、前後から攻撃を受け混乱した官軍の陣の乱れを突いて、私達が檻車の人物を助け出すことに専念すれば良いと思います。救出後は直ぐに撤退します。官軍を全滅させる必要はありません。麗羽殿も必要以上に殺さないでください。後々、正宗様のお義父様と麗羽殿の叔父様に後処理をお任せすることを考えれば、死傷者は少ないことに超したことはありません」
「分りましたわ」
麗羽は胸を張り言いました。
「必ずや救出を成功させてみせます」
楽進も義侠の心に燃えている様です。
楽進の瞳から炎が出ているように見えるのは錯覚でしょう。
その他の面々は渋々な表情をしています。
沙和が一番やる気がなさそうです。
面倒臭いオーラを体中から放っています。
私は父上と袁逢殿への文を急いで書き上げると、斗詩と猪々子に文を渡しました。
私達は馬を走らせ官軍の後方を急襲し檻車の人物を助け出すことにしました。
この私の行動が新たな出会いの始まりとはこのときは露程にも思いませんでした。
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