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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
第35話 剛毅なる者
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とお義父様にはご迷惑お掛けしましたわ」

麗羽は少しすっきりした表情で私に謝りました。

「麗羽。全然気にしなくて良いよ。父上に関しては私が素直に本当のことを麗羽に告げれば良かったと思う」

父上の件は私の所為なので、麗羽が謝ることではありません。

私が麗羽に不味いと言えば済んでいたことです。

「正宗様。麗羽殿。仲直りは出来ましたか?」

揚羽は笑顔で私達二人に言いました。

「揚羽さん。何を言いますの。正宗様と喧嘩など初めからしていませんわ」

麗羽は揚羽にそういうと胸を張っていました。

いつもの麗羽に戻ってくれた様です。

私は一先ず一安心して、旅路を進めました。




泰山郡の渓谷に差し掛かった辺りで、異変が起こりました。

遠くで剣戟と人の怒号が聞こえます。

私達は何事かと馬を走らせようとしました。

「正宗様お待ちください」

それを揚羽が制止しました。

「この先で戦闘が起こっているのは必定です。無闇に攻めるのはお止めください。一度、見晴らしの良い場所に移動しましょう」

揚羽の提案通り私達は見晴らしの良い場所に急いで移動しました。

どうやら官軍と何者かが戦闘をしているようです。

官軍と言っても装備からして大守の処の兵だと思います。

「官軍を襲っているのは賊の様ですわ。官軍は100人位。賊は10人。あの数で官軍に立ち向かうとは愚かなものですわ」

「それは違う。賊ならそんな危険を犯さない。確かに、ここは渓谷だから道幅が狭い。小数でも一度に相手にする人数が少なくなるから、官軍の数の利は無くなる。だけど、数の利が無かろうと兵数は10倍だ。彼らが一騎当千であろうと長く持たない。危険を犯してでもあの官軍を襲う必要があったというのが自然だと思う。麗羽見てごらん。官軍達の中央に檻車がある。あの中に助け出したい人でも居るんだろ」

「正宗様。それでは彼らは賊ではありませんの?」

「ああ。今の泰山郡の大守はあまり良い噂を聞かない。どうせ役人の不正を追求した結果、逆に捕まったというところだろう。それに、襲撃している者達は賊とは明らかに動きが違う。兵士ではないが、統率は取れているのが、ここからでも良く分る」

この時代はこの手のことが多々あります。

霊帝が行った売官のお陰で官卑が蔓延っているのです。

「正宗様の推察通り近からず遠からずでしょう。彼らには悪いですが、ここは静観しましょう」

揚羽は彼らを見捨てるように言ってきました。

「何を言っていますの!揚羽さん。あなたを見損ないましたわ。正宗様の話では悪いのはあの官軍達ではありませんの。ここは助太刀するのが当然ですわ!」

麗羽は胸を張って揚羽にビシッと指を指して言いまし
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