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ヤザン・リガミリティア
雷獣再臨
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た光の翼をはためかせる。

それは幻想的で美しいV2の姿とは全く異なり、敵を捕食せんという呑食の殺意を振り撒く物の怪であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

アドラステア級ラステオ。

それはネームシップたるアドラステアから続く名誉ある2番艦であり、それを任されているのはバイク戦艦の考案者であるドゥカー・イクであった。

月面作戦を成功させ、意気揚々と引き上げていくモトラッド艦隊は、バイク戦艦の圧倒的武威と戦果に心を必要以上に熱くし、自分たちを鼓舞していたように思えた。

それは、連邦政府のお膝元である月面都市を徹底的に破壊した行為が、これから何を引き出してしまうかを誰もがどこか不安気な心持ちで考えてしまうからだ。

 

連邦の本格的報復が恐ろしい≠ニいう事だ。

だが、連邦軍が全面攻勢に打って出ることは有り得ないというのは、この時代、誰も彼もの認識でもある。

今回のベスパの攻撃作戦は、月面のリガ・ミリティアの一大拠点を叩くと同時に、連邦の腐敗が何処まで浸透しているかを探るつもりでもある。

 

「…フォン・ブラウンに動きはあるか?」

 

ドゥカー・イクが、副官であり、アドラステア所属のMS戦隊の隊長を務めている褐色の美女、レンダ・デ・パロマに確認をとれば彼女は首を横に振る。

 

「そうか。まさか連邦がここまで腑抜けていたとはな」

 

「はい。想像以上に連邦は軍も政府も腐敗しています」

 

「私達が望んだ以上に連邦は酷い有様だ。

こうまでくると、敵でありながら惰弱と醜態っぷりは目に余る。

…これでは地球圏の秩序が乱れるのも当然ではないか」

 

ドゥカーがそう呟く様は、敵を嘲るというよりも憤慨しているようだった。

そもそも、連邦政府がしっかりと地球圏の手綱を握っていれば宇宙戦国時代など幕が上がる事はないし、ザンスカールが勃興する事もなかった。

 

「…戦争とは酷いものだよ。

だが、その戦争のお陰で私のバイク乗りの楽園は現実味を帯びてくるのだ。

もはや正義なき連邦から命と愛の象徴たる地球を解放し、世から腐敗を一層する。

世界に正しき愛を満たす果てに、清浄なるバイク乗りの楽園が誕生すれば、それは幸せな事だ」

 

だからこの戦争は正義だ。

ドゥカー・イクが、いっそ爽やかな顔でそう言うとパロマも強い笑顔で深く頷く。

だが、その会話が聞こえてしまっていた艦橋クルーは頭の上に幾つもの疑問符を浮かべては内心で首を傾げざるを得
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