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ヤザン・リガミリティア
雷獣再臨
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いったのは見て取れた。

死んでいて欲しいが、爆散まではしていないからどうなったかまでは確証を持てないわけだが、それでも無傷ではないだろう。

重傷でも負ってくれれば、長期間の戦線離脱は有り得る。

 

「ふっふふ、まぁいいさ。

私の勝ちには変わりはないのだ。

しかも、死んだと思われた人食い虎≠ェ、とんだ土・産・まで持って帰ってきたのだから笑いが止まらんよなぁ。

クククククク…姫≠ゥ………我が世の春とはまさにこういう事を言うのかな?なぁタンドン中尉」

 

ニタっと笑って中尉を見れば、相槌程度に彼も笑ってみせる。

クロノクルと姫の確保を報告した時の、あの老人の慌てふためく様は何とも愉快だった。

普段は全く顔色一つ変えぬ老妖怪が、間違いなく一個の生き物なのだと知れた瞬間だ。

 

「帰れば、私は女王陛下から直接十字勲章を授かるのは確実だな」

 

今時作戦におけるゲトル・デプレの残す仕事は後一つ。

それは姫≠ニ王弟≠フ為に安全に、確実に本国へ帰還する事。

とは言ってもそれはもう半ば成ったようなもの。

今更リガ・ミリティアの艦の船足では、こちらの最新鋭戦艦アドラステア級の足には追いつけないのは明白。

肝心要の連邦軍ですら怒りより恐怖が勝ったか、未だ動きを見せないのだから帰還は楽なものだ。

そうゲトルは高を括っていた。

だが…。

 

「ん…?おぉ戻ったかファラ中佐。ご苦労だった。

貴官の働きには、宰相閣下もご満足の事だろう」

 

春爛漫というゲトルの心に釘を刺す存在が、艦橋のスライドドアの向こうから現れる。

本日の功労者、ファラ・グリフォンその人が艦隊司令へと敬礼をしてみせれば鈴の音が従ってリンと鳴る。

 

追撃を警戒し、思い切り迂回し別ルートから帰ってきたファラは、艦隊と合流したのは今しがたであった。

ニヤけた顔でそう労ったゲトルは至極満足そうで、そしてそれは当然だった。

かつて頭が上がらない上官だった美しき女軍人を部下にし、新型のMS・MA・戦艦を受領し、そして次々に歴・史・的・暴・挙・を成功させているという偉業。

ジオン公国のギレン・ザビですらしなかった、永世中立地帯であるジブラルタルを攻撃…宇宙引越公社本部ビルを破壊してザンスカールの恐ろしさを世界へ見せつけた。

地球連邦政府本部のお膝元である月面で、その傘下にある月面都市セント・ジョセフを壊滅させ、そこに巣食うリガ・ミリティアを撃破…連邦の権威を失墜させた。

しかも、ファラ中佐と、そして機体を喪失しながらも生きて帰ったピピニーデンの報告では、敵の新型であるガンダムタイプを1機撃墜し、他にも多数の新型を撃ち落と
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