獣達の胎動
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基本的に訓練室はパイロット以外立入禁止だ。
見つかったら殴られて放り出されるぐらいの覚悟でコソコソやることだな」
そう聞いた途端、少年らは走り出した。
その背を見ながらヤザンは一人呟く。
「あいつらも良い目をしやがる。
化けるかもしれんな」
ヤザンのその予感は後々当たる事になる。
◇
これは部下のケアの一環だ。
求めてくる部下に応えてやるヤザンは、ケイト、コニー、フランチェスカと部屋を回って一戦交えて女共の溜まった鬱憤を晴らしてやる。
だが忘れてはならないのは、ヤザンも軽くはない怪我を負っているという事で、なのにパワフルに女共を抱いてやるヤザンのバイタリティは凄まじいの一言だった。
今回のように凄惨な戦いの後は、男も女も皆肌の温もりを求めがちだったし、何より、怪我の後遺症で不調を自覚しているらしいペギーとマヘリア等の求愛は熱心だった。
まるで自分を捨てないでくれと縋る子犬か子猫だとヤザンには思えた。
そして、気の強さでもシュラク隊達をも凌駕し、純粋な腕前でも凌駕しつつある金髪の令嬢もその一人だ。
「ん…ぅ…あっ…」
カテジナの部屋で、背中にも脚にも痛々しい包帯を巻いた男が引き締まった腰を女に打ち付けていた。
女は当然カテジナで、長い金髪をじとり湿ったシーツに広げて男のなすがままだった。
「ふぅっ、っ、んっ、…あっ、あぁぁっ!」
男と女の汗が飛び散って、カテジナの長い手足が男の背に絡むと、男は短く苦悶の声を挙げたがすぐに押し殺して構わず女を抱き続ける。
「はぁ、はぁ…ん……ん…っ、ん…はぁっ、はっ、はっ」
強く、冷たい印象すら与える時のある高飛車な美少女の切れ長の目が融けて、男の背に重い傷があるのも分からなくなる程に沼に沈み、愛してしまった粗野な男と必死に愛を確認していた。
それは、セント・ジョセフの人々の死のイメージがカテジナの頭の中に流れ込んできて、脳裏に聞こえた死の叫びを忘れたいが為だ。
男との愛で死≠塗り潰したいが為だ。
そして、元気ハツラツに戻ってきたとはいえ重傷を負っているこの男が、やはりいつ死ぬとも知れぬ戦いのサガに取り憑かれた戦士と知って、そいつとの確かな愛のカタチが欲しかったからでもあった。
だから、少女は男の手管に何度も高みに追いやられて理性を崩されていても、生≠胎内に取り込もうという本能でそ・れ・を嗅ぎ取った。
カテジナが何度目かの高みに至って、忘我の中で女の奥を収縮させると、
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