獣達の胎動
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「…確か、エアーズがニューディサイズのペズンの反乱℃膜盾ノ巻き込まれた時のだったかしら?」
「そうそう、それです。
なんとインコムを史上初、実戦投入した時のデータですよ!
こんな貴重なものを、よくうちにくれましたよぉ〜感激です!」
「あそこは今も親アースノイドが多いっていうから、それかもしれないわね」
「ティターンズのヤザン・ゲーブル本人が、リガ・ミリティアにいるって本格的に広まってきたみたいですからね」
お互い、雑談を交えつつも手は忙しく動いていた。
ホラズムの開発陣も、ミューラとミズホは助かったものの、他の主要なメンツは軒並み死んだか入院の為に凄まじく人手不足だったし、リーンホースJr所属のストライカーやクッフ達は戦艦の修理に忙しい。
しかも、今はウッソとヤザンからせっつかれていて納期もかつかつ。
手を休める暇などなく、機材の上に置かれたコーヒーには一度も口が付けられていない。
もっともそれはミズホだけで、ミューラに至っては物を口に運べる状態ですらない。
ブラックな現場どころの騒ぎではなかった。
「…シャッコーの左肩も、右肩仕様にするんでOKです?」
「そうよ。試作型ドライブの力場制御が使えるようになるから、かえって左肩だけの大型アポジはバランスが悪い。
左右肩部はどちらも簡易マニピュレーター式の隠し腕に換装します」
「もっと派手にぱぁーっと改造しちゃいたいですね。
肩と背中しか仕様変更が無いのは寂しいですよ」
「シャッコーもゲンガオゾも、それだけ完成度が高いという事ね…。
それにクライアントヤザン達の納期を守るのが最優先よ」
「はぁい」
このように、一見して愉しげに話しながらの気楽な作業にも見えるが、それは大きな間違いだ。
二人と、そして作業可能なスタッフ達は、このまま長時間に及ぶぶっ続けの作業で2機の機体の修理と改良を完了させる事となるが、その成果はしっかりと結実するのは流石だった。
◇
ミューラ率いる技術スタッフが長時間の缶詰めをしている間に起きた事が幾つかある。
医務室は人で溢れかえっていた。
廊下にまで簡易布団を敷き、そこも人でごった返す様はちょっとした野戦病院状態だ。
ヤザンは替えの包帯を貰うついでに、そこで入院しているシュラク隊の面々を見舞い終え、そして寝泊まりする分には平気…というレベルに損壊している自室にまで帰ってきた。
と、そこで不思
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