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ヤザン・リガミリティア
獣達の胎動
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、ミューラとミズホを筆頭とする技術スタッフ達は、ゲンガオゾに並行してシャッコーにまで手を加えていた。

それは、ヤザンが言った「V2級が最低でも3機必要」という要請からだ。

 

ゲンガオゾから吸い上げたデータに目を通しながら、ミューラはミズホに任せていたシャッコーの方へと車椅子を動かす。

 

「ミズホ、交代をお願い」

 

「はい、ではゲンガオゾのOS解析が終わるまでは、こちらを担当します」

 

「ええ」

 

ゲンガオゾの隣の整備ハンガーデッキにはシャッコーが佇む。

内部のジェネレーターを、3・基・目・のミノフスキー・ドライブと換装し、そして細部を見直している真っ最中だ。

エンジンクレーンのチェーンに繋がれ、吊り上げられているミノフスキー・ドライブをまじまじと見ながら、ミズホはミューラに言った。

 

「それにしても、良かったんですか?

予備の、ラス1のドライブを使ってしまって。

セカンドVに使っていた未完成品だから、パーツ取りにしか使えないって先輩言ってたじゃないですか」

 

V2一号機と二号機に使われた2基のドライブ。

その他にも、実を言うとドライブは存在した。

真っ先に稼働に漕ぎ着けた、いわば試作ミノフスキー・ドライブであり、それを搭載した試験型Vガンダムの名は便宜上セカンドVと名付けられていたが、セカンドVそいつでテスト飛行を重ねながら各種データを取り、真にミノフスキー・ドライブに相応しい外殻V2ガンダムを拵えていき、さらにその後にV2のボディにドライブを積み、今度はそれの練磨に精を出した。

ミノフスキー・ドライブはそういう連鎖の中で完成度を高めていったのだ。

今、シャッコーに積もうとしているのは、その最初の一歩の試作品である。

V2に積んだ物が完成度90%だとしたら、試作品は50〜60%といった所であり、最高出力も安定性もその完成度に比例するが、その状態でもセカンドVは出力をフルにすると空中分解の可能性が常に付き纏い不安要素が大き過ぎた。

それ故のシャッコーフレームという選択で、シャッコーの強度ならばフルドライブにしても空中分解は起こらないという計算が出ている。

 

「確かに初期のデータ取りに使っていた半端者だけれど…それでも無いよりはマシでしょう。

一応はV2の巡航速度に追いすがれるようにはなる筈よ。

V2とゲンガオゾと、そしてシャッコー…この3機で小隊を組めれば、戦いは段違いに楽になる」

 

「半分以上、私達のお手製じゃないってのが悔しいですね」

 

「そこはザンスカールを認めるしかないわね。

でも、主機は全部こちら側の物に置き換わるんだから、負けっ
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