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ヤザン・リガミリティア
妖獣の爪痕 その2
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奴!」

 

飛びかかろうとしたオデロに、ゴッドワルドは素早く弾丸を一発叩き込む。

 

「うわぁぁあっ!?」

 

「オデロ!?おまえ、よせよ!!」

 

オデロの脚をかすめた銃弾。

今度はクロノクルその人がゴッドワルドへと組み付いた。

 

「っ!中尉!な、何をする!!

貴様、裏切ったのか!!女王の弟が!」

 

「女王だとか何とかって!そんなの知るか!

よくもオデロを撃った!よくも姉さんに銃を向けた!」

 

「何を言っている!?」

 

助けてやろうとした男に襲われ、しかも言っている事がさっぱり理解できない。

クロノクル・アシャーの姉といえばザンスカールの女王マリアだが、今、クロノクルは小柄な褐色の少女を見て姉と言わなかったか?とゴッドワルドを混乱させた。

そして一つの結論に達する。

 

「中尉!リガ・ミリティアの拷問で心を壊されたか!?

或いは洗脳か…!く…、黙っててもらうぞ!」

 

「うぐっ!?」

 

銃床の重い一撃がクロノクルの脳天を打って殴り飛ばす。

 

「クロノクル!」

 

シャクティが倒れるクロノクルに駆け寄ると、ゴッドワルドはまたも発砲して今にも総出で飛びかかってきそうな子供達を威嚇する。

 

「ガキ共と騒ぐのはもうたくさんだ!

そこでじっとしていろ…次は当てる!おい、貴様は来い!」

 

「きゃあ!」

 

ゴッドワルドは、足元に倒れるクロノクルに駆け寄った少女の髪を掴み上げると、そのまま少女…シャクティに銃を突きつける。

 

「来ればこのガキか、追ってきた貴様らの誰かが死ぬぞ!

いいな、追ってくるな!そしてこんなテロ組織からさっさと抜けるんだ!!

次にお前達に会ったら…俺は絶対に貴様らを殺してやる!!」

 

恨み骨髄のリガ・ミリティアだが、そこに所属する子らまで恨みたくないとゴッドワルドは思う。

むしろ、このように幼い子供達をゲリラ兵士に育て上げようというリガ・ミリティアの大人達こそ、末代まで祟るべきだと、ゴッドワルドは疼く顔の傷を抑えながら強く思う。

 

「女…!格納庫まで案内しろ!」

 

「わ、私、知りません」

 

「そうか」

 

頷いて、ゴッドワルドは足元のクロノクルの首へ脚をのせた。

 

「言わないならクロノクル・アシャーの首をへし折る」

 

「っ!…で、できないはずです。

だって…クロノクルは…あなた達の女王様の弟なのでしょう!」

 

「元々戦死扱いの男だ。ここで本当に殺してやった所
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