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ヤザン・リガミリティア
妖獣の爪痕 その1
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ローラー軋轢によってクレーターの地形が変わるほどだったが、それでも地下施設の一部はまだ無事だったらしい。

既にホラズムのスタッフ達が救助作業やらに精を出し始めているのが遠目に分かった。

 

「報告したい事がたくさんあり過ぎて、だと?チッ…この後の反省会を思うと、頭が痛い」

 

ポツリと言ったヤザンの言葉。

今までウッソが聞いた事のないテンションの呟きは、少年の心に深く残る。

間違い無く重傷の範疇に入る怪我を負ったこの男は、どうも帰ってもすぐに休息を取れぬらしい。

ヤザン・ゲーブルという男がどれだけの苦労を背負い込んでいるのか、その一端を少年は見た気がした。

 


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