暁 〜小説投稿サイト〜
ヤザン・リガミリティア
獣と龍と
[1/13]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
閲覧履歴 利用規約 FAQ 取扱説明書
ホーム
推薦一覧
マイページ
小説検索
ランキング
捜索掲示板
ログイン中
目次 小説情報 縦書き しおりを挟む お気に入り済み 評価 感想 ここすき 誤字 ゆかり 閲覧設定 固定
ヤザンがリガ・ミリティアにいる   作:さらさらへそヘアー

<< 前の話
目 次
次の話 >>
34 / 38
獣と龍と

「隊長!ダメですって!」

 

「ウッソが一人で気張っているんだぞ!ここで出なきゃ俺の沽券に関わる!」

 

整備長のストライカーが止めるにも関わらずヤザンはヒビさえ入ったキャノピーに飛び乗ると、V2一号機に火を入れた。

ヤザンの性格を知るストライカーは、もう止める事は出来ないと悟りつつも、それでも必死に食いついた。

尊敬する男をこのように危険な状態になったMSに乗せるなど、整備士としてのプライドに関わるし、何より一人の友人としてさせたくない。

 

「あんな瓦礫が無防備に直撃したんですよ!

そんなに歪んだフレームじゃミノフスキー・ドライブの圧力が上がったら耐えられません!

他にもどんな不具合が出ているか…!他のMSででてください!

リガ・シャッコーはまだ空いてます!」

 

「敵は姿を見せない狙撃野郎だ。

それがどれ程とんでもない距離からの攻撃か分かるだろう、ストライカー。

リーンホースが出れない今、V2の機動力とフライトレンジでなきゃ敵の前にすりゃ行けんぜ!

こいつが必要なんだよ!」

 

V2が上体を起こしていく。

そうする事でよりハッキリと、リガ・ミリティアの自慢の最新型MSは見るからに痛々しいのが分かった。

無残な程に、脇腹から襟、そしてウィングバインダーまでの装甲が歪んでいるのが見える。

 

「隊長!!お願いです、降りてください!!

あんたの沽券だって言うなら、隊長の行為は俺の沽券に関わるんだっ!!」

 

「許せ、ストライカー!今度奢ってやる!」

 

「隊長!!!」

 

今にもV2の足にすがりつきそうなストライカーを、クッフを筆頭とした何人かの整備クルーが全力で止める。

ストライカーのガタイは良いものだから、クッフらも必死だ。

 

「メカニックは離れろ!V2、出るぞ!」

 

ウッソが通った道をヤザンもゆく。

もう一人前と認めてはいるが、何をどう言ってもやはりまだ子供だ。

ヤザン・ゲーブルは、あんな子供一人に全てを押し付けて知らん顔をするような、そういう情けない大人でいたくはなかった。

 

(ガキに俺達大人の尻拭いをさせるなんざ、赤っ恥もいいとこだぜ…!)

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ