暁 〜小説投稿サイト〜
ヤザン・リガミリティア
妖獣と踊れ
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当たる直前に霧散して掻き消えてしまった。

 

「バリア!?なら…!」

 

サブスラスターも全開にV2は皿の上のマシーンへと迫り、そして抜刀して斬りかかろうとしたまさにそのタイミングで、V2の直下から巨大なモノが高速で迫り上がってくる。

 

「なに!?下なの!?」

 

巨大質量がV2を圧潰せんとしたが、ウッソの反射神経がその速度を上回った。

ウッソの驚異的な反射神経と先読みに付いてくるV2の追従性があったからこその回避である。

そして今度は横から。

 

「っ!また!?」

 

横から猛烈な勢いで尻尾≠ェ薙いでき、またもウッソはそれを避けきった。

そして尚も皿の上のMSへと迫り、そして斬りかかる。

紫紺のMSの半月状の肩部にビームサーベルがしっかりと食い込んだ…かのように見えた。だが…。

 

「弾かれたの!?」

 

光るリングを湛え始めた半月状の肩がビームサーベルを弾いていた。

そしてメガ粒子を通して触れ合った2機のMSは、互いにその声を聞く。

 

「ふふ…やるじゃないか!」

 

「お姉さんの声!?女の人が戦っているの!?」

 

「ヤザン・ゲーブルじゃないのは残念だが…ずいぶん若い声だねぇ、坊や。

いいさ、あいつが来るまではお前で遊んであげるよぉ坊や!!」

 

「な、なんなんだこの人は!」

 

ウッソはトンガリ頭の肩の光に危機を感じ、そしてV2に身を引かせた。

それは正しい判断だ。

次の瞬間には、光った半月から溢れた粒子は破壊エネルギーになって、散弾のようにV2を襲う。

 

「そんな所からビームがでるのか…!」

 

これにはたまらず、流石のウッソも距離をとるしかない。

だが眼前のMS相手に距離を取るのは悪手だとは理解しているウッソは、何とかしてこの距離を維持したい。

しかしそれも叶わない事である。

V2のセンサーが背後と上、双方から迫る大きな熱源を捉えていた。

 

ターコイズブルーの龍のようなマシーン。

オレンジ色の龍のようなマシーン。

その2機がV2を襲う。

 

「さっきのやつ…邪魔をするというならぁ!!」

 

「どこを見ているのさ坊や!」

 

「ぐぅ!?」

 

ドラゴンのように長い尾をなびかせる大型MAにビームライフルを向けた瞬間、下に回り込んでいたトンガリ頭が胸部ミサイルを猛射。

V2はそれをスレスレで避ける。

だが、避けた方向は奇しくも2機のMA、そしてトンガリ頭のトライアングルの中心点。

 

「誘い込まれた!?」

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