妖獣と踊れ
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き進む超高速の紅い矢。
矢が突き刺さる。
そして猛烈な爆発が巻き起こり、セント・ジョセフとホラズムを繋ぐ地下道が消し飛んだ。
「〜〜っ!!や、やっぱり…超遠距離からのビーム狙撃!街ごとホラズムを狙っているんだ!」
――リィン
――リィン…リィン、リィ、リィ…
「またっ!?狙撃が来る!!」
鈴の音が響いた。紅い矢が、暗黒の空を引き裂いて月の大地を穿つ。
その一射はセント・ジョセフに吸い込まれた。
岸壁を貫き、強化ガラスドームを溶かし、都市の各ブロックの封鎖を始めていた大型隔壁を融解させ、都市の中心部で大爆発を起こし紅蓮の業火を撒き散らす。
セント・ジョセフは地獄になっていた。
炎に満ちて、次々に引火し誘爆し、あらゆる外壁が壊されていき、真空の只中に一つの月面都市が丸ごと投げ出されようとしている。
「なんで!なんでそんな事するんだよ!関係ない人達を!!なんでそんないっぱい殺すんだ!!!」
ウッソは叫び、V2のフットペダルを踏み込んだ。
V2のミノフスキー・ドライブが、パイロットの少年に呼応するように呼気を吐き出し、Vの字のバインダーから余剰エネルギーを放出する。
旧来のMSには到底真似できないノーモーションからの超加速で、未知の狙撃主へ一気に迫ろうとするのだった。
だが、そう簡単には何事もいかないのは世の常だ。
ウッソを迎え撃とうという紅い矢がV2へと狙いを定め迫る。
「そうだ…僕を狙え!もうセント・ジョセフにも、ホラズムにも撃たせない!」
ウッソの拡大する意識が、砲撃モーションをとる未知のMSを幻視させた。
皿≠ノ座する紫紺の大型MSが、斬首刀のように禍々しい巨大な砲をV2へと向ける。
――リィン
「鈴の重圧…っ!来る!」
その瞬間ウッソはV2を遥かに上昇させれば、一瞬前までV2があった空間を紅い奔流が駆け抜けた。
その技はまさにスペシャルにしか、ニュータイプにしか出来ない芸当だ。
鈴の音を聞くと同時にウッソは殺気を肌に感じていた。
ウッソは恐ろしきスペシャルの少年だが、それでもやはり敵もまた恐ろしい物の怪であった。
「えっ!?」
避けた先に、息つく暇もなく禍々しき紅い光が迫っていた。
(…!!避けた先に、もう撃っていたの!?――っ、直撃する!!どうする、どうするんだウッソ!)
ウッソの生来の機転とニュータイプ的なパイロット適正、そしてヤザンに仕込まれた獣の生存本能が少年の指を自動オートで動かす。
V2が超高速で飛びな
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