妖獣と踊れ
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のGOサインが出、そして後に続く仲間達の為に最低限の瓦礫を蹴ってどかし、ギリギリ開いたといった感のある歪んだハッチをこじ開け、動かない昇降機を尻目にブースターで昇っていく。
その間も基地を振動と爆発が襲う。
「頼む…!頼むよ…、まだ当たらないで!きっとまだ、敵は正確な位置は分かっていないんだ!だから、まだ気づかないで!」
祈るようにV2を上昇させていく。
ミノフスキー・ドライブの、静かながら凄まじき加速。
これならば昇降機下にブースターの熱と衝撃が行ってしまうのを気にすること無く機体を全開の速度にできた。
リガ・シャッコーやガンブラスター達には出来ない芸当である。
ぐんぐんと上昇していくV2の望遠モニターに、未だ開かぬ地上開閉ハッチが映りV2のコンピューターが警報を鳴らす。
「っ!ゲートが開いてないの!?く…すみません、皆さんの基地、壊します!」
ウッソの判断は早い。
即座にビームライフルを構え、そして的確な連射で重装甲のゲートを撃ち抜いた。
宇宙そらはもう目の前だ。
◇
月面から幾筋のピンクのメガ粒子が鮮やかに飛び出し、そしてそれに続いてV2の青白いブースター光が暗闇空に糸を引いた。
ウッソはマシーンが索敵をするより早く、己の目と感性で敵を探し始めている。
そして直ぐに眼下に広がる月面都市の異様に気が付いた。
「あ、あぁ!!?街が!セント・ジョセフが…燃えている!!」
岸壁に覆われていたセント・ジョセフに幾つもの大穴が空き、そして強固なガラスドームの内側では急速に減りつつあるだろう酸素が燃え盛るビル郡に薪を焚べている。
大穴からは今も建物、車、動植物、それらの残骸、そして人、人、人…それらが猛烈な勢いで外へと吸い出されていた。
「あんな大穴…!セント・ジョセフの人達が皆、皆死んでしまう!」
ウッソはとっさにセント・ジョセフへ救助に向かいたい衝動に駆られるが、だが、ウッソに植え付けられつつ後天的な本能がそれを止める。
それは戦士の本能であった。
ヤザンに仕込まれたそれが、ウッソをセント・ジョセフに向かわせない。
そして、その事が結果的にウッソを助けるのだ。
「敵はいない…側にいないってこと!?やっぱり、超遠距離からの攻撃――っ、光!?」
赤い光。
血のようにドス黒く紅い光点がウッソには見えた。
セント・ジョセフとホラズムのクレーターの中間地点へ向かって真っ直ぐに突
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