妖獣と踊れ
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パラパラと小さい埃が降り、とっさにウッソはシャクティとカルルマンに覆いかぶさって庇う。
先程の大振動とは別に、今度はやや小さな揺れが頻発。
ウッソ達以外にも、次々に居住区の部屋から皆が口々に予測を並べ立てながら飛び出した。
「なんだ!!」
「こ、攻撃か!?」
「工場のジェネレーターでもぶっ飛んだか!?普通じゃないぞ!!」
施設内に赤色の非常灯が点灯し、館内警報が鳴り響く。
廊下のそこらはあっという間に走る人だらけとなった。
オデロもエリシャも、そしてクロノクルもスージィも慌てた様子で廊下に飛び出して、そしてウッソ達を見かけると安心したように駆け寄ってくる。
「お、おいウッソ!無事だったか!姿が見えないから心配したぜ!!」
「姉さん、い、いまのは一体なんだろう…!怪我はない!?」
「カルルがすごい泣いてる…!どっか打ったの!?」
ほぼ同時に口を開く皆を、シャクティは「私達は大丈夫だから」と宥めつつもホラズムを襲う振動と爆音に身を竦ませる。
「こ、これって…ホラズムが攻撃されてるんじゃないの!?」
オデロが半ばパニックになりかけて言う。
ウッソもそれが正解だろうと悲愴な顔となって叫んだ。
「とにかく、ここにいちゃダメだ!避難経路は覚えてる!?オデロ!」
「お、覚えちゃいねぇよ!一度見ただけだぜ!?」
「私、覚えてる…こっちよ!」
エリシャが先導をきって皆の誘導を開始。
慌てる大人達を掻き分け、或いは共に避難を試みるが、ウッソは彼らとは真逆の方向に駆け出した。
「どこに行くの!?ウッソ!」
シャクティが慌てて幼馴染の少年を引き留めようとするが、ウッソは少し視線を寄越しただけで歩みを止める事は無かった。
「僕は格納庫に行ってみる!敵襲なら、誰かが出ないと!事故でも、MSなら対処の役には立てる!
シャクティはそのまま皆と避難するんだ!いいね!!」
「ウッソ!」
「オデロ!クロノクル!シャクティを頼んだよ!」
「あぁ、わかった!気をつけろよウッソ!」
「義兄さん、任せてよ!」
オデロとクロノクルの力強い返事は、ウッソの心に良い安心感を与えてくれる。
こういう友人が、仲間がいるからウッソは大切な人を後ろに残し、行けるのだ。
「通して!通してください!」
逃げ惑い混乱する人の波を掻き分けてウッソは走る。
走りながらウッソは思い出す。
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