妖獣と踊れ
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る。
だが蒼き小鳥の反抗的な態度は、2機の邪鬼を酷く怒らせたか、或いは喜ばせた。
ザンネックとゲンガオゾの複合マルチセンサーがカッと開いて、血のように赤い眼でV2を見つめる。
その発光は合図だったのか、ほぼ同時に上下から巨大な龍が殺到した。
「っ、またこの尻尾付き!?この連携…この人達、厄介だ…!――ぐぅぅぅぅ!?」
ビームは全て間一髪で避けているウッソも凄まじいが、それでも龍の尻尾――ドッゴーラのテイル・アタックがとうとうV2を捉える。
激しく機体が揺れた。
「わはははは!強化人間共の仕上がりは上々…ふん!リガ・ミリティアの新型め、俺の敵ではないわ!」
ドッゴーラ1号機のパイロット、ブロッホは勝ち誇ったように厳しくニタつき、そして2号機のパイロット、アルベオ・ピピニーデンは黙したままに肩で笑う。
「あっはっはっはっはっ!さぁ母さんのお腹の中に帰ってこぉい!!」
そして捻じれに捻れた愛でもって迫るルペ・シノのゲンガオゾは、2機のドッゴーラを率いて濃密なビーム弾幕をV2へ見舞う。
猛攻に次ぐ猛攻であり連撃。ウッソの凌ぎもジリ貧のように見えた。
「ま、まだまだぁ!」
それでも掠る程度にしか被弾しないウッソもまたバケモノであり、敵から見れば白い悪魔の再来そのものだ。
しかしそれでもウッソは決定的勝機を掴めないでいる。
実を言えば先程から龍のようなMAに対しては、何度かの必殺の間合いを掴んでいた。
だが、その度に狙いすましたかのようにファラ・グリフォンが小出しにしてくる肩部ビームの連射が妨害するのだ。
「ふふふふ…!」
しかも気付けばザンネックはまたも遥か遠くへと逃れ、そして再び恐ろしきザンネック・キャノンで狙いすませば、ウッソに悪寒が走る。
それは己へ向けられた殺気ではない。
「ッ!やめろー!!」
「見えた見えた…坊やが飛び出してきた気配を辿れば…そぅら、そこにいる。
ご覧よ、坊や…坊やを助けようと巣穴から飛び出してくる命の光…」
――ブゥゥゥン
不気味な収束音がザンネックの両肩に光輪を戴かせ、光輪は不気味な輝きを血が脈動するかのようにザンネック・キャノンへと送り込んだ。
さながら、それはカイラスギリーのミニチュアである。
宇宙に憎悪を撒き散らす、カイラスギリーの怪刃の直系こそがこのザンネックなのだ。
叫びながらウッソはそれを阻止せんとミノフスキー・ドライブを更に高めたが、だが、それは龍を従えた雷神が許さない。
「邪魔をっ、するなーー!!!」
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