妖獣と踊れ
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ャクティが軽い頭痛と不快な感覚を訴えた。
そして、ウッソもまたシャクティの横で微かに響く鈴の音を聞いたのだ。
「…鈴の音?これは…幻聴、なの?」
「鈴…?ウッソ、それ…私も聞こえるわ」
泣くカルルマンをあやしながら、シャクティはやや悪い顔色でウッソの自問に答えた。
「シャクティも…?」
子供達が寝静まった子供部屋の中で、皆を起こしてはいけないと気を使った二人はカルルを伴い廊下へと出る。
それに気付いたハロも続いて部屋を出て、3人と1機はホラズム基地居住区を静かに歩きながらカルルをあやし続けるが、一向に泣き止む気配はなかった。
「…どうしたんだろう。カルルの泣き方、普通じゃない」
「とても不安そう…苦しんでいる。何かの病気かしら」
「ハロ、カルルの診察を」
飛び跳ねながら、ハロは目からスキャンレーザーを出したり口から聴診器のような何かを出してカルルマンのおでこに貼っつけたりしているが…。
「ハロ!カルル ゲンキ!ドコモ イジョーナシ!」
機械的な診断ではそういうことらしい。
ウッソとシャクティは生活力逞しく簡単な医術も知っているし、また都会育ちと比べて遥かに人間の観察力等も優れているが、それでも分からない事はある。
まだまだ10代の前半なのだ。
「母さんに聞いてみよう」
「ミューラおばさんに?でも、忙しいんじゃないかしら。悪いわ」
「そうかな。…そうかもしれないけど、きっと診てくれるよ」
子育て経験がある身近な人といえばウッソの母だ。
ウッソは泣くカルルに少し慌てているのか、医師レオニードという選択肢がすっぽ抜けていたが、レオニードの専門は小児科医ではない。
子育て経験談の方が医師より優ることもあるから、そう間違った判断でもないだろう。
母の部屋…この時間ならまだ格納庫でMSを弄っているだろうか…3人と1機が歩きだした時、またシャクティが足を止めて額を抑える。
「っ…また、鈴の、音……ウッソ、何か……何かが、月に…」
「シャクティ?大丈夫かい?シャクティ!」
カルルマンの泣き方もより酷くなっていく。
ウッソがシャクティの肩を抑えて、幼馴染の顔を覗き込んだその時であった。
ホラズムの秘密基地が揺れた。
凄まじい音。
振動が基地全体を揺らす。
基地内の照明が、短い間隔で明滅を繰り返した。
「なっ、なんなの!?」
天井から
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