這い寄りし妖獣
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に微笑みながら、だが声だけはいっちょ前に怒ってみせた。
「いい加減にせんか。ゴメスが騒動を聞きつけるまでやり合うつもりかよ。やっこさんが来たら修正の鉄拳と始末書もんだぜ?その点俺は優しいもんだ。今のうちにやめとくんだな」
でないと俺も監督不行き届きで目玉を喰らう、と最後に悪戯小僧のようにヤザンは笑った。
「…ふぅ、ふぅ…ヤ、ヤザン隊長が…そう言うなら…」
肩で息をしつつフランチェスカは頷く。
もちろん、カテジナを強く睨んだままだが。
一方のカテジナも、
「…ふん!分かったから…離しなさいよ」
負けじとフランチェスカを睨みつけながらヤザンの手を振りほどくと、お次にヤザンを睨みながら突然に言いだした。
「今夜は開けときなさい。この責任はとってもらうから」
「俺がか?」
「当然でしょう?元はと言えば貴方があ・て・つ・け・て・煽ったからなんだから」
カテジナがそう言うと、フランチェスカも「あぁ〜、まぁ…確かに」と控えめに呟きつつカテジナの言に乗っかって頷いていた。
ヤザンは痩けた頬を指で軽く描きながら、とぼけるように考え込むフリをしたが、もちろんそんな事でカテジナは話を流してはくれない。
一度食いついたら離さないのがカテジナという女だ。
「だから、今夜は貴方が私を慰めるの。いいわね?」
「あっ、じゃああたしもその権利があるって事だろ?ですよね、隊長!」
元気よくフランチェスカが手を挙げるが、それをカテジナは心底嫌そうに見つつ口を開く。
「なんであんたまで。後から来たんだから遠慮しなさいよ…!だいたい、あんたがヤザンに付きまとうからこうなる!」
「先に唾をつけた奴がエラいって誰が決めたんだよ!女の戦いに後も先もないね。男心と秋の空って、昔は言っただろ。お前みたいな女は男に飽きられるのがオチってね!」
「…ッ!どっちみちあんたが惨めになるだけよ、フラニーち・ゃ・ん・。あんたみたいなガサツな女…私に勝てるわけがない」
「めでたいねぇ…その言葉、そっくり返すよ。温室育ちのお嬢様じゃ隊長みたいなワイルドな男には最後まで付き合えない。あたしみたいなのが一番いいんだ」
カテジナがフランチェスカのパイロットスーツの襟元を掴み、そしてフランチェスカも掴み返す。
ヤザンは呆れつつ、また笑った。
こ・う・い・う・の・は嫌いじゃない男だったが、それでもいい加減にしろ、といったところだ。
「仲良しなのはわかった。だからもうそろそろ本気でやめておけ。殴り合って
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