這い寄りし妖獣
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ッシュな女に性的魅力を感じないと言えば嘘になる。
ヤザンとて、むこうから嫌われていて、且つ己も興味がなければ魅力を感じない女にこういう事はさすがにしない。
一瞬、カテジナの鋭い目尻が釣り上がる。
だが、ここでカテジナも成長という名の変化を見せるのだった。
「…ふぅん…ま、いいわ。たまには摘み食いもしたくなるでしょうから」
明らかに目と声に怒気は込められている。
しかしカテジナは幾らかの余裕を見せたのだ。無理をしての虚勢かもしれないが、それでも虚勢を張れるだけの余裕と自信が芽生え始めていた。
これにはヤザンも悪人面の三白眼を少し見開いてカテジナを見呆けて、そして思わず聞き返した。
「なんだと?」
「摘み食いよ。その女との事。私以上じゃないって、抱けば分かる事でしょ」
カテジナの言い様にヤザンは小さく口笛を吹いた。
「驚いたな。あのキャンキャン喚く小娘はどこにいったんだ?」
「もう小娘じゃない」
「ハハハ!そうだな。確かにもう処女じゃない」
その言葉にカテジナの眉が不機嫌そうに歪んで、そして少し彼女の頬が紅くなる。
聞いていたフランチェスカの頬もそうなったのは、二人の会話を聞いてそ・れ・を想像したからだろうか。
だが、照れる以上にフランチェスカは不愉快だった。
目の前の金髪の御令嬢の、女としての余裕が気に食わない。
フランチェスカあんたじゃヤザン・ゲーブルを分捕る事はできない…まるでそう言われているみたいだったからだ。
フランチェスカとて女である。
サバサバしていようが、ボーイッシュであろうが、女だてらにパイロットをやっていようが間違いなく女だった。
だからこうも喧嘩口調になって会話に割り込むのも仕方がない事だろう。
「ふーん、じゃあさ…問題ないってことだよね。今晩は、隊長はあたしのもんだ」
ヤザンの言葉には我慢をしてみせたカテジナだが、自分の後からリーンホースのMS隊に入ってきて好みの男を分捕ろうとしてみせる後輩女には同じ態度ではない。
…ハズだが、不気味なくらいニッコリと優しげに笑って後輩女を手招きした。
「面白い事を言うのね、あなた。こっち来なさいな。そういえば、まだちゃんと挨拶をしていなかったと思うから、よろしくといきましょうよ」
「…へ?」
そうだったかな?と思いつつも、確かに思い返してみると彼女の着任挨拶は目まぐるしい忙しい最中で行われた。
クルー全体への挨拶はデッキで済ませたが、個々への挨拶は順次、空いた時間で行っている状況で、確かにカ
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