這い寄りし妖獣
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ヤザンがリガ・ミリティアにいる 作:さらさらへそヘアー
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這い寄りし妖獣
「っ、うぐ、おぇっ」
ボーイッシュな美少女、フランチェスカがヘルメットの中で嘔吐く。
全天周囲モニターの前方から高速で迫るV2ガンダムが、リガ・シャッコーのコクピットを金属の拳で殴打すれば嘔吐いた少女は更に激しく揺さぶられ「う、うわぁっ!」などと叫んだ。
この時代のMSのG耐性や衝撃制御の性能は、女子供さえMSでの戦闘を可能にする程優秀だが、執拗にコクピットを殴ってくる相手にはやはり辛い。
「こ、このぉ!」
フランチェスカは慌ててMSにサーベルを振らせたが、それは虚しく空を切る。
彼女の目の前にいたはずのガンダムタイプのMSは、リガ・シャッコーを殴り抜いた体勢のままにミノフスキー・ドライブの斤力と圧倒的なアポジによって高速の平行移動を行っていて、既にそこはもぬけの殻。
「わああ!!?」
リガ・シャッコーがまた揺れた。
背中からV2の蹴りがバックパックに刺さり、リガ・シャッコーは高速で月の重力に落ちていく。
だが激突はしない。
リガ・シャッコーのオートバランサーが機体を持ち直してくれる。
パイロットはフットペダルを吹かすだけで後はバイオコンピューターがある程度の曲芸飛行は熟してくれた。
「く、くそぉ…V2、速すぎだって…!え!?どこ!?」
全天周囲モニターに機影無し。
熱源センサーに反応有り。
「っ!そこ!」
振り向き様に、模擬戦用に出力調整されたビーム・ピストルの早撃ちを敵へ見舞うフラニー。
しかし既にそこにいた敵は、フラニーのその動きを知っていたかのように回避していた。
敵が笑う。
「良い反応だが!それは所詮機体性能だ。頼りすぎだな、フランチェスカ!」
「わ、わぁあっ!?っ、うっ、ぐ、ゲェぇ!」
回避しつつ突進してきたガンダムの蹴りがリガ・シャッコーのコクピットに命中。
嘔吐きつつも中身を撒き散らすことなく耐えていたフラニーは、最後の特大の衝撃にとうとうヘルメット内に半ばまで消化できていた朝飯をぶち撒けた。
「Biiiii…」という無情の機械音が模擬戦の終わりを告げる。
当たり前だが、フランチェスカの完敗だ。
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