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ヤザン・リガミリティア
妖獣の足音
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ヤザンがリガ・ミリティアにいる   作:さらさらへそヘアー

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妖獣の足音

リガ・ミリティアがセント・ジョセフに入港して幾許かが経った。

その事は既にニュースとして全世界にばら撒かれている。

隠密行動が出来ずそのデメリットは大きいが、世間を味方に付けている証拠でもあるし、補給物資の調達も各機関への協力関係の打診もスムーズだ。マスメディアを邪険には扱えなかった。

大衆へのパフォーマンスも必要であると、伯爵は真なるジン・ジャハナム≠ゥらも指令を受けていて、そしてそれは活躍の中心にいるカミオン隊の役目であるとも言い渡されていたからだ。

メディアの相手は専ら伯爵が引き受けてくれているが、機密は守るとしても写真や映像が撮られるのを遠方からでも許可すれば少々の情報は漏れてしまうのは避けられない。

 

ベスパの諜報員スパイは数も少なくなり、よりコソコソと活動する事を余儀なくされているが、それでも大きな都市に存在している。

スーツ姿の男女がまるでカップルのように港を彷徨いているが、それはよくよく見れば訓練された者の佇まいであった。

彼らのかける厚手のフレームのメガネは、ズーム・録画機能も通信機能もある代物。

今をときめくリガ・ミリティアの艦を、遠くのドック越しでも良いから拝もうと集まった野次馬の中から、時に服を変え髪型を変え時刻を変えて監視を続けていた。

 

そして、その監視者達はきちんと己の仕事を全うできるだけの能力があった。

ドックの周りを子供連れ10人程度のグループが歩いている。

珍しくはない。

今はこの港には観光客や子供連れの船好き、ミリタリー好き等が多いからだ。

しかし、そういった子供達は皆首を伸ばして屋根付きドック施設の隙間からリーンホースJrが見えないかと無駄な努力をしていたりしているものだが、そのグループの子供達は明るい顔で騒いでいながらもドックにはさして興味もなさそうだったのだ。

では艦を見たがる大人に率いられた何らかのスクール集団かと言われればそれも違うだろう。

大人達は皆、時折キョロキョロと周囲を警戒していた。

大人達の警戒のしようはさり気ない。

しかし確実に彼らが警戒しているのが、経験上スパイには分かった。

 

(…そういえば、リガ・ミリティアは子供達を使う非情の組織ではないか)

 

そしてそれを思い出せば、そ
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